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独逸より日々愛用しているお気に入りを・・・風の吹くままに、気の赴くままに。
by buck
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de stad -Oscar van dillen&ensemble>gelbklang<
典型的現代音楽的響きのピアノや弦楽器。緊張感の漂うリズム。其処に絡むパーカッションやアコーディオン。このアルバムはオランダのHertogenbosh生まれの作曲家・Oscar van dillenがやはりオランダの街の一つであるRotterdamの街の歴史を音楽として表したものであると作曲者自身が述べています。
この「de stad」と冠されたアルバムには表題の6楽章からなり総演奏時間44分にも及ぶ「da Stad(2003) für Ensemble」と、この「da StaD」のエレクトリックモンタージュである「Stadsgeschiedenis(2003)」の2作品が収録されています。
de stad -Oscar van dillen&ensemble>gelbklang<_c0030570_20184898.jpg
SACD層マルチ再生ではごく自然な音の広がり-といってもホールや教会のようなエコーではなくスタジオ風の非常にクリアな意味での-でマルチ再生といっても他のクラシックアルバム同様、派手なサラウンド効果はありません。
SACDの特質である倍音の豊かさからピアノや弦楽器、アコーディオンやパーカッションは非常にリアルな音で収録されています。唯一つ残念な音で収録されているのがバス・トロンボーン(このアルバムは基本的に9人の異なる楽器奏者による小編成のアンサンブル)の音のみが妙に薄っぺらく、リアルさに欠け、この楽器のみがまるで異なる音響効果がなされているような違和感を覚えます。これは録音テクニック不足なのか、奏者の持つ音質によるものなのかは定かではありません。
SACDステレオ再生も非常にクリアで、マルチ再生に負けない素晴らしい自然な音の広がりを堪能することが出来ます。
CD層はSACD層に比べ厚めの響きがするような印象を受けましたが、やはり高音の伸び、各楽器の持つリアルさなどはSACD層よりも劣ります。しかしCDとしては非常に高音質の優秀な録音であると言って過言はありません。

2曲目の「Stadsgeschiedenis」はHistorischen Museum Rotterdam(ロッテルダム歴史博物館)にある「Geschichte des neuen Rotterdam(ロッテルダムの歴史)」というマルチメディア展示に使用されているようです。この曲では第2次世界大戦当時のラジオ放送やサイレンの音などが生々しく使用されており、当時の戦争体験のある人にとってはとてもショッキングな作品だと思います。このアルバムに収められている両作品に共通していえるのは典型的な現代曲ながらも、容易に曲の意味することを捉えることが出来、また作曲家が培ってきたJazzやインド音楽からの影響も色濃く反映されている点でしょうか。現代曲ながら非常にわかりやすい、取っ付き易い作品となっています。
Rotterdamはまだ一度も訪れたことの無い街ですが、何時の日かこの作品をロッテルダムの歴史博物館にて鑑賞することが出来ることを期待したいものです。
by buckup | 2005-12-06 20:27 | SACD。 (63) | Comments(0)
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