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独逸より日々愛用しているお気に入りを・・・風の吹くままに、気の赴くままに。
by buck
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DANCING IN THE DARK -Tierney Sutton
DANCING IN THE DARK -Tierney Sutton_c0030570_21145227.jpg
アメリカポップ界のあり方を変えたフランク・シナトラ。このアルバムのサブタイトルにもある様に、そんな彼の楽曲にインスピレーションを受けたTierney Suttonが基本的にピアノ・バス・ドラムをバックにしっとりと歌う静かで洒落た一枚です。 アレンジはどの曲もとても凝ったもので、シナトラの原曲を崩さずに良い意味でとてもジャズライズ(?)され、時に斬新に曲のもつ魅力を引き出しています。 特にトラック11に収められているシナトラの名曲「Fly me to the moon」はあまりの斬新な導入に思わずにんまりとせずには居られません(笑)。

全体的にバランスの良い選曲、飽きさせないアレンジ、とても安定したボーカルと演奏。そしてなんといっても特筆すべきは、シナトラの耳元で甘く囁くような歌い方に肉迫する彼女の非常に柔らかい透き通ったとても印象的な”美声”ではないでしょうか。 大人のための、とても落ち着いた、でも情熱(ロマンス)も忘れていない小気味良い録音です。

このSACDは勿論通常のCD2ch層の録音も非常に優秀で、ピアノのニュアンス、彼女のとてもクリアな子音やクリスタル・ヴォイスをSACD面と比べても決して劣ることの無い高音質(?)で余す事無く堪能できます。(通常のCDプレーヤーでもかなり”本物”に近いピアノのニュアンスが聞き取れます。) またSACD層ではCD層よりもさらに自然なエコーが付加したようなミキシングされており、ヴォーカルやピアノに透明感が増します。これはSACDの特徴なのでしょうが、とにかくハイハットやシンバルが目の前で演奏しているかのようなシャープさ(切れ)が増すのも印象的です。

このSACDではマルチチャンネルを駆使した派手なサラウンド演出はありませんが、とても自然な柔らかなリスナーを包み込むような仕上げとなっています。
静かな夜に照明を落とし、ワイン片手に本を読んだり(ちょっとキザですねぇ。)夜、ハードな仕事の後帰宅の際にカーステレオから静かにさり気無く聞きたい、そんな一枚です。
by buckup | 2005-03-04 21:28 | SACD。 (63) | Comments(0)
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