独逸より日々愛用しているお気に入りを・・・風の吹くままに、気の赴くままに。
by buckup
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カテゴリ:SACD。 (63)( 63 )
FIVE ELEMENTS -Matthias Frey
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ドイツ発のピアニスト、そして作曲家として活躍するMatthias Freyの自然界の5つのエレメントを主題としたアルバム。

火水土木に加えメタルの5つの自然界に存在するエレメント(要素、成分)を主題に、Freyのピアノソロにナチュラルな生楽器やオリエンタルなパーカッションが織りなす壮大な環境音楽。アルバムの内容は非常にリラックスして聴ける、刺激的要素は殆どないまるで映画のサウンドトラックのよう。

アルバムとしての音質は良好。SACD層はフロントをメインとしたリスナーの前面に音が広がる自然な音の展開。トラック3の『TAKLAN MAKAN』では過ぎ行く時を刻むような乾いたパーカッションの連続音を背景に、Freyの華麗なピアノソロに絡む濃い霧のようなクラリネットとオリエンタルなギターがタクラマカンの広大な孤独を表現。またFreyのピアノソロであるトラック7ではSACDならではのハンマーが弦を叩く打音のニュアンスやレンジの広さ(美しいピアノの低音の響き)や部屋全体を包み込むようなエネルギーに満ちた音を楽しむ事が出来、それに続く地を揺るがすような低音が心地よいトラック8『Fire』はこの広大なアルバムの一番の聴き所だと思う。

全体的に哀愁漂うメランコリックなメロディーラインをメインとした非常に聴き易いアルバムだけど、終始静かに音楽が流れるに留まらず、時にエキサイティングな高みへと高揚するアルバム構成が秀逸。そして各楽器が旨くミキシングされ、重音無人に音が部屋中を飛び回るわけではないけれど、極自然に部屋中に音が響き渡る中々高音質で聴き堪えのあるSACD。しかしこんなSACDが10ユーロ(約1000円前後)以下で購入出来てしまったのには正直驚きだった。
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by buckup | 2012-05-13 19:18 | SACD。 (62) | Trackback | Comments(0)
MEDÚLLA -Björk
はじめてこのアルバムを聴いた時の感想は「なんじゃこりゃ!?」。それまでのBjörkのアルバムとはひと味違った、少々取っ付きにくい難解な内容に加え、部屋一杯に展開する太っいサウンド。そして囁き声から巻き舌、叫び声に、すすり泣くような声。考えられる上でのあらゆるタイプの『声』のサンプル集。まるでそんな印象の『声』がメインのアルバム。
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とにかく印象的なのはCDとは一線を画す、ぶっといヴォーカル。もともと声帯が強そうな強力なヴォーカルのBjörkの声を生のまま(?)収録してしまったような太くも暖かい肉声のようなヴォーカルに加え、部屋全体を包み込むように前後左右から容赦なく降り注ぐ『声』の集合体がマルチ再生での聴き所。ちなみにこのアルバム。燦々と輝く暖かな太陽のもとで聴くよりも、薄暗い曇の日。出来れば日没後。部屋の灯りを落とした真っ暗な部屋でじっくりと聴くとこのアルバムの真価がより伝わって来るように感じるので是非一度お試しあれ。

人によっては不快感すら抱くかもしれない『声』の洪水。その中にあって4曲目のコーラスとBjörkによる完全なアカペラ、そしておそらく彼女の母国語であるアイスランド語で歌われている"Vokuro"と8曲目の"Desired Constellation"を聴くと僕の目の前には数年前に訪れたアイスランドの広大な風景(下の写真参照)が眼前に広がるのが不思議。特にまるで教会で歌われるコラールのような3曲目の"Vokuro"は風のような混成コーラスとコード進行とメロディラインが広大なアイスランドの自然、孤独、気候を表しているようで、アイスランドの光景が目の前に浮かび、あの場所の風や空気の感触がまるで手に取るように感じられるのが不思議。
という訳でこの2曲のおかげでBjörkのアルバムの中でもお気に入りの、そしてSACDマルチの面白さを満喫出来る大切な一枚となっている。
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とにかく広大で孤独を感じる程人の営みの片鱗さえ感じないアイスランドの自然。トラック4の"Vokuro"を聴くとこんな光景が僕の眼前に広がる
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広大な大地を自由に行き交う野生の馬。アイスランドではいままで一度も感じた事の無い、自然にたった一人で立つ孤独と自然の偉大さ&人とは実に小さなものだと実感した非常に貴重な時間を体験

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by buckup | 2012-04-03 05:04 | SACD。 (63) | Trackback | Comments(0)
Buck`s choice -今夏のお勧めSACD5枚
日本は梅雨も開け毎日暑い日が続いているようですが、ここドイツは例年通り(!?)の肌寒い夏。今日などは最高気温15度という涼しさ。といってもまだ夏は始まったばかりなので、これから少しは夏らしくなる事を期待しています。
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さて今回紹介するSACDは5枚。夏という観点から選んでみました。しかし偏に夏といっても人それぞれイメージする事も異なりますし、住む地域の気候や気温によって似合う音楽も変化しますが、ここは一つ僕が住む南西ドイツの肌寒い夏(本州の上高地や北海道の夏を想像して頂ければ)にもうだるように暑〜い日本の夏にも合うであろうアルバムを選んでみました。


c0030570_1365629.jpgまずは一枚目。これは以前のチョイスにも登場しましたがAna Caramの「blue bossa」(CHESKY RECORDS)。以前のレヴューには「夏にこだわりはない」何て書いていますが、しかし暑かろうが寒かろうがやはりこのアルバムなくては夏は語れない(!)といっても良い程夏にぴったりの一枚。マルチ再生が醸し出す抜群の空気感は勿論の事、SACD2ch再生でも柔らかく明るい音でこのアルバムならでは雰囲気を楽しんで頂けると思います。
アルバムの詳細は以前のレヴューを読んで頂くとして、この正統派のボサノヴァのアルバムと同時に聴きたいのがジャズサックスとボサノヴァの巨匠の華麗なる競演「GETZ/GILBERT」(Verve records)。これはSACDレイヤー・2ch再生のみのアルバムですが、1963年に録音された古いアルバムが見事に高音質になって甦っています。オリジナルのアルバムの録音状態を知らないので何とも言えませんが、所々で曲中奏者によって響き(エコー)が異なるのが残念です。しかしこのアルバムを聴くとAna Caramが確実にGILBERTの系譜を継ぐ、実に正統派のボサノヴァ奏者だという事を再認識出来る一枚でもあります。


c0030570_1395015.jpg2枚目はここ数年続々とSACDをリリースしている古楽の先駆・Jordi Savallの「ALTRE FOLLIE 1500-1750」(ALIA VOX)。スペインの3拍子の古いテーマを主題に1500年から1750年までに書かれた「La Follie」を延々と収めたアルバムです。めくるめく各奏者の超絶なインプロビゼーション(即興)に加え、バロックハープやバロックギターの古楽器ならではの独特な響き。また各奏者の弓さばきまでが見えるようなバロックバイオリンやガンベの熱い演奏。スペインの熱い風を感じるような、まさに暑い夏にピッタリの一枚です。
マルチ再生の部屋全体を包み込むミキシングも素晴らしいですが、SACD2chの小気味の良いスピード感あるサウンドもお勧めです。非常に熱い演奏なので、聴く時は要冷房(うだるような暑さの中で聴くと、キラキラとしためくるめくチェンバロの音は少々暑苦しいかも)。
ー後日レヴュー掲載予定


c0030570_140407.jpg3枚目はEDEN ATWOODの「This is Always -The Ballad Session」(Groove Note)。EDEN ATWOODにはすでにレヴューした夏にピッタリのボサノヴァアルバム「WAVE -The Bosa Nova Session」がありますが、今回はあえてこのバラードセッションと副題にあるアルバムをチョイス。イメージ的には暑い一日を終え、ほっと一息。キンキンに冷えたビールや白ワイン片手に涼しい風の吹くバルコニーでリラックスしながら聴くとピッタリの一枚といったところでしょうか(実際にはうちのバルコニーにはSACDを聴ける環境では無いのですが・・・汗)。
副題にバラードセッションとあるように、しっとりとしたとても聴き心地の良いバラードが収録されていて、涼しげな夏の夕べにピッタリのアルバムです。
特筆すべきはATWOODのリアルな伸びのある歌声と、渋くかすれ気味のTom Harrellが演奏するフリューゲルホーンの息づかいまで聴こえて来るような柔らかい音色。素晴らしく柔らかくしっとりとしつつもカチッと纏まった響きが部屋全体を包むマルチ再生が圧倒的にお勧めです。というのもマルチ再生で部屋全体を満たしていた柔らかな音場が、SACD2ch再生では何故か1mほど後方へこじんまりと収まってしまったような感じになってしまうからです(残念)。ミキシングの為か2ch再生ではCDの方が良い感じの一枚です。
ー詳細は後日レヴュー掲載予定


c0030570_1412959.jpg4枚目はsara Kの「HELL OR HIGH WATER」(stockfisch Records)。最近ちらほらとドイツのオーディオ各紙のテストでも使用されている高音質ディスクです。
このsara K。特にこのアルバムは以前から紹介したいと思っていたのですが、僕にはジャンル分けができないアーティストでレヴューせずまいでした。メインはsara Kのヴォーカルとギター。基本的に非常にアコースティックな音を主体とした演奏で、フォーク、R&B、ジャズ、カントリー的要素が複雑に混ざり合ったスタイルです。
夏にお勧めのこのアルバム。しかしこのアルバムは初夏や盛夏ではなく、秋の足音が聴こえてきそうな晩夏にピッタリ。というのも各所に散らばる自然の音(草原の鈴虫の音色や風のようなギターのエフェクト)とこのアルバムのsara Kの風のような歌声。まさに晩夏の夜にピッタリの一枚です。
音質は前述のように素晴らしく、基本的にSACDマルチと2ch共にバスが非常に深く鳴り響く腰の低い音を基本に、生々しいギターやパーッカションの音がsara Kの声質をとても旨く引き立てています。SACD2chもスッキリとした音質で部屋に旨い具合に音が展開するのですが、マルチ再生の方が音圧があり、より重厚な響きで部屋全体を満たしてくれます。


c0030570_20224447.jpg最後の一枚は元気一杯にNatalie Coleの「Ask a Woman Who Knows」(Verve Records)。これは以前のレヴューを読んで頂ければわかって頂けると思いますが、文句無しに夏にお勧めの一枚。さわやかに弾けるColeの清涼飲料水のようなファニーでキュートな歌声が最高です。久しぶりにSACD2chでも聴いてみたのですが、音の展開は素晴らしく、2chながらも音がぐるりとリスナーを包み込むように展開する様は満喫出来るのはオーディオ趣味の醍醐味では無いでしょうか(笑)。勿論マルチ再生ではマルチ再生の面白さを惜しみなく引き出されたミキシングがされている、まさにSACDを語る上で欠かせない一枚では無いでしょうか。


という具合にダラダラと夏に合うと思われるSACDをチョイスしてみました。前回のチョイスの時の感想にも書いていますが、中々ベストなアルバムを選ぶというのは難しいものです。ましてや少ない少ないと巷ではいわれていても、今までにリリースされた膨大なSACDすべて聴いた訳ではないので、あくまでも僕のコレクションの中からのチョイスとなります。
先ほど日本のニュースで見たのですが、今日も日本は暑い一日だったという事。夏らしからぬ涼しさのドイツから「夏にピッタリの」なんてのは非常に滑稽ですが、一応懐かしい日本の暑い夏らしい夏を頭に浮かべながらチョイスしました。皆さんの夏のSACD購入の参考になれば幸いです。
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by buckup | 2008-07-22 20:54 | SACD。 (63) | Trackback | Comments(8)
THE JOBIM SONGBOOK IN NEW YORK -The David Hazeltine Trio
しっとりと落ち着いた、まさに大人のジャズといえるこのアルバム。小気味の良い転がるようなアドリブのタッチが素晴らしいピアノのD.Hazeltine、とても安定したコントラベースのN.Reeves、そして派手にならな過ぎずにちゃんと自己主張も忘れないドラムのJ.Fransworthの3人が奏でる、非常にベーシック且つ手堅い演奏の非常に聴き易いアルバムです。
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このアルバム特筆すべきは、その空間表現の絶妙さ。
すでにCD層を聴いただけでもその空間表現の良さは明らかで、右側にドラム、中央にコントラバス、そして左手にピアノが配置されているのが分かります(但し空間表現的には並列的印象)。
SACD2ch層で再生すると、ピアノのハンマーの打つニュアンスやベースの音がより生々しくなり、CD層の再生よりもドラムが右側後方へ配置されたようになり音に奥行き感がプラスされます。しかしまだピアノがSPに貼り付いているような印象を受けます。
上記のようにSACD2ch再生でもかなり立体感のある空間が表現されますが、マルチ再生では格段に空間表現がアップされ、奥行き間が明らかに増し、明確に各楽器の配置位置が分かるようになります。
右側後方に配置されたドラムセット、そしてそれに並ぶようなベース。そして左側ベースよりも前にグランドピアノが配置されているのが手に取るように分かるのが絶妙です。また多くのポップスのマルチ再生のように360°音が飛び交うサラウンドを効かした再生ではなく、昨今の優秀なクラシックSACDの如く、全面の空間表現を主体としたとてもリアルなステージが再現されるSACDです。

このレヴューを書くにあたりいつもは見ないライナーノーツを見たところ、しっかりとこの配置に関する回答が載っていて、まさにマルチ再生で展開する位置に各楽器が配置されていたのが興味深かったでした。
また通常はスタジオで録音される事の多いジャズのアルバムですが、このアルバムは自然の響きを考慮してか、教会で録音されていたのも非常に僕の興味をそそりました。

初期からのCheskyのマルチ録音の伝統(?)を継いでか、このSACDマルチ層も4chで録音されてます。しかし実際にはまるで5本すべてのSPで再生されているかの錯覚に陥るかのような素晴らしさで、優秀なCheskyならではの(すべてのCheskyの録音がという意味ではなく)とても聴き易い音のアルバムです。
アルバムの豊富な曲構成や演奏のレベルの高さも手伝って、音量を上げてじっくり聴くも良し、BGMとして音量を落としても気持ちよく聴けるとても聴き易い良いアルバムです。
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by buckup | 2008-05-22 17:15 | SACD。 (63) | Trackback | Comments(0)
a secret wish -PROPAGANDA
1985年にドイツ・ZTTレーベルからリリースされたアルバムをDan VickersとTim Lambertが5.1CHにリミックスしたのがこのアルバム。
ドイツ出身の男女四人組のこのPROPAGANDA。当時洋楽に全然詳しくなかった僕は当然このグループの名前すら知らず、ジャケットデザインの雰囲気で思わず注文してしまった一枚です(笑)。
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アルバムは、もうこれぞ80年代と言わんばかりのシンセの打ち込み満載の懐かしい感じのする音作りと構成。サウンド的には、当時日本でも人気の高かったTMネットワーク(懐かしい)のアルバム「キャロル」と雰囲気がとても似ているような気がします。

特筆すべきはこのアルバムの音質。ミドル80sのアルバムにもかかわらず、出てくる音はとても瑞々しく、80年代の録音にありがちな派手ながらも薄っぺらい音の作りではなく、実に骨太の音でリスナーを80年代へと導いてくれます。
特に5.1chのミキシングは素晴らしく、冒頭の「DREAM WITHIN A DREAM」では現実味のある柔らかいトランペットの音もさることながらも、その後に続くコンコンとまるで時を刻むような硬質且つ深みのあるリアルなマリンバの刻みがリスナーを中心に360度グルリと回転していく音の移動は中々のものです。これはSACDマルチ再生の5本のスピーカの音量バランスをとるのにも中々良い感じです。

アルバムは当然ながら最後まで実に80年代らしいノリのまま行く訳ですが、久しぶりに聞くこの80年代ならではのサウンドもたまには悪くないなと再確認したアルバムです。
最近のSACD鑑賞の傾向として、フロントを基調としてリスナーの前方に広がる音の深さや立体感を再現し、あたかも奏者が目の前で演奏しているかのようなミキシングこそSACDの本道だというような流れがありますが、自分としては(ことポップスアルバムに関しては)このアルバムのようにリスナーを中心にして360°グルリと音に浸れる楽しさ、またあらゆる方向から予期せぬ音が聴こえて来るサラウンドならではの面白さのあるトリッキーなミックスのアルバムが結構好きだったりします。
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by buckup | 2008-04-15 02:59 | SACD。 (63) | Trackback | Comments(0)
Ray Brown Monty Alexander Ruessell Malone
ピアノのボディーの共鳴。弾けるような生々しいコントラバス。心地よいギターの軽いディストーション。これらが実に旨く解け合い紡ぎだされる最高のトリオジャズ。そしてドラムの抜きのトリオなのにこれほどまでにはっきりと躍動感あるビートを感じるのは、やはり世界に名だたる彼ら三人による演奏だからなのだろう。
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2007年7月に他界したJazzベースの巨匠・Ray Brownの事実上最後のアルバムとなった本作。ベースがリアルに再生されるSACDの中でも頭一つ飛び抜き出ている、まるで目の前でRay Brownが演奏してくれているのではという錯覚に陥るほどのリアルさ。まさに「弾ける」といった表現がぴったりの音質です。
安定したMonty Alexanderのピアノに派手さはないけどどこまでも渋い、燻し銀のような演奏を繰り広げるRuessell Malone。彼の渋いギターは時にハープのごとく滑らかに、そして吹奏楽器のような息づかいを感じるソロをこのアルバムで披露してくれています。

SACDマルチ再生はフロントを中心に展開する自然なもの。とにかく音の厚みと圧迫感が素晴らしい反面、各楽器の位置関係は今ひとつ曖昧でピアノ、ベース、ギターがすべて中心に展開する音作りとなっています。
また特筆すべきは、音の余韻がとても美しいアルバムだという事。ここまでとても自然に、そして丁寧に音の余韻を扱っているアルバムというのも稀ではないでしょうか。

結構な数のタイトルがそろってきた僕のSACDコレクションの中でも、間違いなく一二位を争う高音質の本作。じっくりと渋いジャズを堪能したい方にも、雰囲気のあるBGM的なジャズアルバムをお探しの方にもお薦めのとても聴きやすいアルバムです。
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by buckup | 2008-02-21 23:10 | SACD。 (63) | Trackback | Comments(2)
My America -Monty Alexander
「2008年最初の一枚は、未知の衝撃と共にやってきた。」

なんてまるで安っぽい映画のキャッチフレーズもどきしか頭に浮かばないのが悲しいですが、まさにこのSACDの素晴らしいまでの高音質ぶりに久しぶりに衝撃を受けました。
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導入1曲目の「Don’t fence Me In」。何て事はない実にアメリカらしい、まるでカウボーイが「パッカパッカ」と馬を呑気に駆るような軽いピアノの前奏で始まる訳ですが、これは実にSACDらしい普通の高音質(笑)。しかし「このアルバム、ただ事じゃないぞ!」と驚嘆させてくれるたのがその後に続くドラムやバスの音の深さと現実味あるその生々しいまでの「音」。思わず「え、うちのステレオってこんな音でなるの!?」と我が耳を疑いたくなった程の深く、切れのある立体的で濁りのないベース。そして嫌みや不自然さのない自然なサラウンド。2ch派の人にとってはこの程度のサラウンド効果も不自然に感じるかもしれませんが、音が部屋中を飛び交うSACDマルチならではのサラウンド効果が大好きな僕は思わずニンマリ。
しかし本当の衝撃を受けたのは2曲目「Straighten Up and fly Right」。曲の冒頭からズンと腹に響き、部屋全体を揺るがすようなベースのヒット。自然に全面に広がるピアノ。そしてまさにリスナーをぐるりと囲み込むような実に濃厚なサラウンド効果。もうこの2曲目を聞いた瞬間に僕はメロメロ。
そしてこのあとは、まさにアメリカらしい軽快なナンバーがこれでもかという程の高音質と絶妙なサラウンド効果で最後まで本当に飽きさせる事なく延々と続く訳です。それに加えトラック6では、最近の僕のお気に入りアーティスト・John Pizzarelliまでもが参加。本当にもう僕にとって至れり尽くせりの、久しぶりに心から「素晴らしい!」と胸を張ってお薦めできる一枚です。

ここまではマルチ環境でのサウンドについて述べましたが、このアルバムはSACD2chでもマルチに負けない音の展開ぶりです。前述の「Straighten Up and fly Right」などは、あまりの素晴らしい音の展開ぶりにサテライトSPに耳を寄せ音が出ていない事を確認してしまった程です(汗)。


購入前はタイトルである「My America」から、ここ数年来激しいアメリカ賞賛の愛国心一杯のアルバムではないかという心配もありましたが、実際に聞いてみるとまさに古き良き時代のアメリカ。皆に愛され、憧れをもたれた頃の実にアメリカらしい、ある意味タイトル通りの素晴らしいアルバムでした。
SACD愛聴家(?)にとって聞かずにはいられない、本当に素晴らしい、SACDの特性と魅力を余すところなく生かしたお薦めの一枚です。
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by buckup | 2008-02-07 22:34 | SACD。 (63) | Trackback | Comments(0)
Here's to Life -Shirley Horn
深い闇から浮かび上がってくるような、静かな弦楽器が醸し出すアンビエントな雰囲気で始まるこのアルバム。しかし一度ヴォーカルのShirley Hornが歌いだすとアンビエントな雰囲気は一変し。一つ一つの言葉が本当に彼女の心の奥底から絞り出すかのようで、フレーズを本当に大事に噛み締めるように歌う彼女のスタイルにまず僕の心は奪われました。
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惜しくも2005年に71歳でこの世を去ったShirley Horn。このアルバムは1992年に収録されたものを2004年にSACD化。CD Stereo,SACD Stereo, SACD Surroundに対応。しかしこのSACDは是非ともマルチ環境で聴いて頂きたいと胸を張ってお進めできるほど、マルチ層の柔らかで包み込むようなオーケストラと、Shirley Hornの心に直接訴えかけて来るヴォーカルのリアルさ、そのすべてが他のステレオ層よりも秀でています。奏者(Trpはウイントン・マルサレスも競演)も演奏も録音もアレンジもすべて超一流の、そして彼女の魅力を最大限に引き出すスローナンバーを中心としたとても安心して聴ける安定したアルバムです(しかも何と驚いた事にライブ録音!)。

またダイアナ・クロールの歌が好きな方には是非ともおすすめしたい一枚でもあります。というのも以前TVで見たクロールのインタビューでも彼女自身がこの偉大なShirley Hornを最も影響を受けたミュージシャンのうちの一人だとも言ってたほどで、クロールの歌唱スタイル(ピアノの弾き語りも含め)にShirley Hornが影響しているのは彼女の歌を聴けば明らかです。

今回は決してSACDのレヴューとはいえないとても主観的なものとなってしまいましたが、このアルバムは僕のとって言葉では表せない深い感動と意味があり、僕自信の貧弱な言葉では言い表せないのが歯がゆいです。そして晩年の彼女の凄まじいまでの音楽に対する愛と執念の背景を知ってしまうと、これほど僕の心に何かを直接投げかけて来るアルバムというのはジャンルを問わず稀であります。そして僕はきっとこのアルバムに、そしてShirley Hornの歌に恋してしまったのではないかと推測できます(笑)。このアルバムが僕にとって人生の愛聴版のうちの一枚になること間違い無しの特別なアルバムです。
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by buckup | 2007-07-03 06:28 | SACD。 (63) | Trackback | Comments(0)
Live at Birdland -John Pizzarelli Trio
マシンガンのように次々と繰り広げられるJohn Pizzarelli独特の変幻自在超絶スキャットで始まるこのアルバム。彼独特の軽やかな歌声と切れの良いギター。そして名前の通りピアノのRay KennedyとウッドベースのMaetin Pizzarelliだけのシンプルなトリオ。このトリオには決してドラムなど必要としない軽快さとスピード感、それに確固としたリズムが主体で、そこに絡む懐古主義的なJohn Pizzarelliギターがとても気持ちよく絡む、聞いていて実に小気味の良いライブ収録アルバムです。

さてこのアルバム、高音質で演奏の質も非常に高く、聴き所満載の素晴らしい録音ですが、それにも増してCD層、2chSACD層、SACDマルチと聞き比べてみると実に興味深いです。
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それではまずはCD層。一聴してわかるのはとても優秀なクリアな録音であるという事。ビシッと真ん中に定位する音像。そして所々にわずかに収録されているライブハウスのノイズ。しかし全体的にとてもCD的な全面2ch主体の平面的な音の広がりでリスナーを包み込む感じはありません。
それが2chSACD層の再生になると一気に奥行きが出現します。ピアノの響きに奥行きが加わり角がとれより立体的に。ベースの響きも当然ながらより深くリアルに。John Pizzarelliのギターもより小気味よくギターのボディーがなっているニュアンスが加わります。そして全面に奥行きが加わるとともに、CD層に比べ音が後方にもまわるようになります。曲間の拍手や曲間に収録されている雑音(皿と皿がぶつかり合う音や、人の気配)がよりリアルに、その為かよりライブハウスで実際に聴いているんだという臨場感が加味されます。当然マルチ環境にない人やSACDをはじめて聴く人にとってはCDとは明らかに異なる世界に満足される事と思います。
さてそれでは最後にマルチ再生ではどうなるかといいますと・・・。これはもうまさに別次元。前述2つの環境とは段違いにまさに「そこに居る」という臨場感が出現します。またマルチ化により基本的にJohn PizzarelliのヴォーカルがセンターSPにそしてバスが右側SP主体に、ピアノが左SP主体(というのもセンターと両方のSPの間に音像が出現するという方が的確です)にミキシングされリアSPには観客の拍手(勿論前方の残響も)が配置されまさにライブハウスの真ん中の特等席で聴いているという感じになります。

拍手は勿論の事、このアルバムで最高に臨場感をかき立てているのが先にも述べた「雑音」。皿がぶつかる音、フォークやナイフと皿がふれあう音、グラスがあたる音、人の気配、そしてマイクを通したJohnのトークとリスナーと同じ音場からの観客の笑い声やトークなどが実に自然に前方、後方、両サイドから、自分を中心として聞こえてくるのです。そして前方からは素晴らしいまでに絡み合い一部の隙もないトリオの演奏とそのリアルな音。また特のこの手のスタイルのジャズ好きにはたまらない選曲とアレンジ。そしてお決まりのJohn Pizzarelliの超絶スキャットと曲間のとても楽しい彼の軽いトークと、とにかく至れり尽くせりの聴きごたえのある僕のお気に入りのアルバムです。

一つあえてこのアルバムの難点を挙げるとすれば、それはライブ完全収録ということでしょうか(笑)。完全収録2枚組のため、この素晴らしいライブアルバムを最後までジックリと聴こうとするとそれ相応の時間を要します。このアルバムは2chでBGM的に流すのも良いかもしれませんが、僕としてはやはり素晴らしい臨場感を楽しむ為にもライブ相応の音量と、音に聴き入る余裕を持って聴きたい、そんなアルバムです。
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by buckup | 2007-06-04 04:20 | SACD。 (63) | Trackback | Comments(0)
ELLA and LOUIS -Ella Fitzgerald&Louis Armstrong
やらなければいけないことは沢山あるのにやる気が起きずについだらだらと過ごしてしまう日曜日。そんな気だるい気分のダラダラとした日曜の午後にピッタリなのが古臭いJazz。それも思いっきりスタンダードで出来ればスローなナンバーが良い。そんな時にもってこいなのがこの「ELLA and LOUIS」。両者ともにJazzシーンでは決して忘れることの出来ない伝説的なJazzプレーヤー。その二人が共演しているとても贅沢なこのアルバム。収録されている曲もスタンダードナンバーばかりのとても聴きやすいもの。
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音質はEllaとArmstrongのヴォーカルがとても柔らかくミキシングされていて、思わずこのアルバムが1956年に収録されているという事実を忘れてしまうほど。勿論ヴォーカルを支えるBassやDrums、ピアノやギターの音もCDとは違うSACDならではの柔らかい深みのある音で再生されます。Armstrong独特のトランペットの音も健在。本来の味を損なう事無く旨くミキシングされています。
このアルバムはSACD層・2ch再生のみとなっています。SACDを再生できるプレーヤーでないとこのアルバムは聴くことが出来ません。

以前誕生日にJazzを専門としている友人からEllaのCDをプレゼントされた事があるのですが、古い録音の安いCDにありがちな激しくシャープで耳に障る音に辟易としてしまった事があります。友人が意図したEllaの素晴らしいヴォーカルの魅力は勿論伝わりましたが、あまりの耳につくキンキンな音に残念ながら愛聴版とはなりえませんでした。 それ以来気になっていたElla。今回SACDで見つけて大満足。1956年当時の古臭さや雰囲気はそのままに、とてもフレッシュ且つCDに比べて遥かに柔らかい音のおかげで、倦怠感溢れる日曜の午後にもピッタリです。

古い録音をCDのようなシャープな音ではなく、且つレコード鑑賞のようにそれなりの機器や手間隙掛けずに気楽に楽しめるというのもSACDならではの魅力でしょうか。
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by buckup | 2006-09-10 23:39 | SACD。 (63) | Trackback | Comments(0)


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