独逸より日々愛用しているお気に入りを・・・風の吹くままに、気の赴くままに。
by buckup
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The Lord of the Rings -J.R.R.Tolkien
僕のお気に入りの映画・トップ3に入るのが、2004年に完結したPeter Jackson監督の超大作「The Lord of the Rings」。その独特の世界観と、細部にまでこだわった画創り。また音楽、音質面的にも超一流。近年稀に見る素晴らしい出来の、本当の意味での超大作だと思います。

今日はこの大作映画のお話ではなく、その映画の元となった原作本について。この「すべてのファンタジーの基礎」とも呼ばれるこの本を、英国の作家・Tolkienが初出版したのが1954年。Tolkienファンやコレクターの間では、この初版本がネットオークション等でかなりの高価で取引されています。初物というのは、本に限らずどのコレクターアイテムでも人気はナンバー1のようです。その後この物語は各国語に訳され、各国で様々な形式の本が出版されています。
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まず僕がこの物語に出会ったのは、映画1作目「旅の仲間」を見終わった後。当然入手した本はドイツ語。唯でさえ読みにくいといわれるこの本を、僕の理解できる外国語の中で一番苦手なドイツ語で読むのは大変難しく、途中で挫折してしまいました。しかしこの時期購入した本は、原作の「旅の仲間」だけに留まらず、「Historischer ATLAS von Mittelerde(「中つ国」歴史地図)」とBrian Sibley著の「Wie der film Gemacht wurde(ロードオブリング 公式ガイドブック)」の2冊も入手しました。この2冊は、原作本ほど難しくも無く無事読み終えることが出来ました。特に「中つ国」歴史地図はロードオブザリングのみでなく、その他のTolkienの著作に興味を持つきっかけともなりました。
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そして丁度この頃、日本に一時帰国する友人に頼んで、瀬田貞二・田中明子訳の日本語版「指輪物語」と別売りの赤本の異名をとる「追補編」を入手する事が出来ました。
僕が入手したのは、3部作を文庫全9巻に分けた「新版 指輪物語」。何故文庫版を入手したかというと、何と言っても持ち運びに便利ですし、当時電車での長距離移動の多かった僕にピッタリだったのでした。という訳で、この日本語版の指輪物語は貪るように、かなりの速さで読破したのを覚えています。
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日本語を読破した後にやはり気になったのは、原語版。Tolkienが書いたオリジナルの英語で是非この物語に触れてみたくなったのでした。
そこで例の如く、まずはネットオークションでこの物語を探してみると、出て来る出て来る「ロードオブザリング」の各種版。勿論一番安いのは、ペーパーバック。そのほかにも前述したようなヴィンテージ本、限定本の数々。大抵は初版の如く3冊に分かれている物が多かったですが、僕の目に留まったのは、とてもスマートでシックな黒の革張りの丁装の限定版。
この版は1994年に刊行された版のテキストを基本に、日本の辞書のような非常に薄い紙(ヨーロッパでは聖書にしか使われない)にプリントされている為に、厚さ2,5cmしかないのに3部作全部と追補編までもが収録されています。ナンバーリングはされていませんが、1000冊の限定だそうです。黒の革張りの外箱、黒革と布地の丁装に金の装飾が施された本編。非常に美しい一冊です。
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この本と同時に購入したのが、この1000冊限定シリーズのもう一冊「The Silmarillion(シリマリリオン物語)」。これはまだ未読なので、今年の夏休みの時間のある時に是非読破したいと思っています。また「The Hobbit(ホビットの冒険)」も同じシリーズで出ていたのですが、この本だけはほかに気に入った版があったので、別版を入手しました。
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最後に紹介するのは、先日近所の本屋さんに行った時に撮影させていただいた、2004年に1111冊限定として刊行されたドイツ語超豪華愛蔵版「Der Herr der Ringe」です。超豪華版の名を謳うだけあって、表紙は真っ白な革丁装、各章の頭にはドイツの画家が手掛けたカリグラフが施され、非常に美しい仕上げとなっています。
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気になる値段は、驚きの900ユーロ(12万2千750円!!!)。非常に美しい一冊ですが、一体誰がこんな高価な本を購入する事が出来るのでしょう?
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美しい丁装の本を開く楽しみは、唯単に本を読書する以上の楽しみと独特な満足感があります。しかしヨーロッパにおいてのコレクションとしての本収集というのは、実はとても高額で高貴で非常に奥の深い趣味のようです。
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by buckup | 2005-07-30 07:44 | Favorite。(283) | Trackback | Comments(0)
SACRED LOVE(Limited Edition) -Sting
2003年にリリースされたStingの最新(?)アルバムのSACD盤です。この「SACRED LOVE」調べてみると様々なバージョンが存在するようで、最近では2004年にニューバージョンとリミテッド・ツアー・エディションなる物もリリースされているようです。SACDはここで紹介するリミテッドエディション(デジパック)と通常版の2種が存在するようです。通常版は全12曲、リミテッドエディションにはトラック12の「SHAPE OF MY HEART」がLIVE収録なのに加え「LIKE A BEAUTIFUL SMIL」の計2曲のボーナストラックが追加されています。
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このアルバム、2001年9月11日の次の日から製作に入った物の、実に2年の歳月を要した難産アルバムで、その苦悩の様子はStingのオフィシャルサイトであるこちらをご覧下さい。
題名の「SACRED LOVE(神聖なる愛)」とは裏腹に、かなり攻撃的なアップテンポ、若しくは非常にダンサンブルな印象を受けるアルバムです。
また前作「BRAND NEW DAY」同様、様々な音楽的要素を含む構成となっており、時にStingお得意の無国籍音楽的浮遊感が楽しめます。

SACDマルチ層の音質は、前作同様5つのSPすべてを駆使した縦横無尽なサラウンドを楽しむ事が出来ますが、前作に比べ音質的に詰めの甘さが少々感じられます。
例えばトラック1の「INSIDE」では前作冒頭曲のような直接脳に訴えるようなサラウンド感はありませんし、左サイドに展開される派手なハイハットの音が、シンバル系を得意とするSACDにも拘らず飽和気味に収録されています。
しかしネガティブな部分だけではなく、例えばトラック4の「DEAD MAN’S ROPE」ではSting特有の非常に透明感のあるサウンドが楽しめますし、非常にアップテンポでダンサンブルなトラック5の「NEVER COMING HOME」では前後を駆け抜ける非常に効果のあるサラウンドミキシングが為され、曲の終わりにある2分ほど続くJazzピアノ調のアドリブのピアノの音も非常に小気味良く収録されています。
全体的にテクノ等を意識した非常にバスを強調したサウンド構成となっている為、しっかりと足元を固めたクリアなバスの出るシステムで聴いた方が楽しめるミキシングになっているように思います。このアルバムではディスコのような重低音を支えるサブ・ウーファーは必須のような気がします。(笑)
CD層の音質も基本的にSACD層と大差はありませんが、トラック1の音質はSACD層で感じられた飽和感が薄れ、全体的に整理されたクリアな音質なのが特徴です。CD層もSACD層に劣らず、クリアでパンチの効いた骨太の音質の、2chでも十分に楽しめるミキシングとなっています。

BRAND NEW DAYのSACDマルチミキシングが非常に優秀なため、このアルバムでは少々物足りない感がするのは否めません。しかし、やはり他のアーティストのアルバムよりもサラウンド感は頭一つ出ているのは確かですし、特にStingの音楽が好きな人には楽しめるアルバム構成となっています。個人的にはStingの音楽観は好きですし、クリアな音作りも好感が持てます。
しかしこのジャケットの写真、Stingってこんなに歳だったっけ?と思わず頭を傾げてしまう写真だと思うのですが如何でしょうか。
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by buckup | 2005-07-27 18:53 | SACD。 (63) | Trackback | Comments(0)
La folia -Gregorio Paniagua&Atrium Musicae de Madrid
Gregorio Paniagua率いる歴史あるスペインの古楽グループ・Atrium Musicae de Madrid。このアルバムではルネッサンス時代から多用されたスペインの舞曲形式・La foliaを主軸にアルバムを構成しています。
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まず書いておかなければいけないのは、このAtrium Musicae de Madridというグループ、確かに実力のある古楽器グループのようですが、その演奏スタイルは古楽の形式に則ってはいるものの、ルネッサンス時代にはまだ使用されなかったクラリネットや各種La foriaのバリエーションの間に挟まれる数々のサプライズ等、真面目な古楽を純粋に楽しむというよりは古楽をテーマにした現代音楽パフォーマンスグループと考えてこのアルバムに挑んだ方が良いのではないかという事です。
曲間には数々の民族楽器を多用しての他民族音楽的モチーフを用い、例えばトラック3では中間部でいきなりクラリネットによる「ピンクパンサー」のテーマが挿入、そこからアジア風旋律のアドリブに繋ぎその後La foliaのテーマに戻る物の、そこでは1900年代に多用されたサーカス風のオルガン曲バリエーションの一つのような味付けが為されていたりします。

さて気になる音質面ですが、SACDマルチ層の音質は非常に高レベル。特にチェンバロの独特のキラキラした音色やテナーバロックフルート(縦笛)の音色の独特の空気感、曲間に多用される各種民族楽器やパーカッションの音などは非常にリアルで、まるで目の前で演奏しているかの如く収録されています。
またトラック6冒頭のまるでマイクをハウリングさせたような高音波(?)やトラック10の携帯呼び出し音(!)や自然の鳥の鳴き声を織り交ぜた教会の鐘の音、トラック12中間部の車の発進音とエンジン音などは、SACDマルチならではの空間を360度最大限に生かした効果は一聴の価値ありです。しかしこのような中間部に挟まれている唐突な効果音やアドリブは非常に大音量なので驚かれませんよう、はじめは大音量での試聴は避けたほうが良いかもしれません。(笑)
CD層の2ch再生ではSACDマルチ層のような立体感のある効果音を楽しむ事は勿論出来ませんが、非常にクリアにチェンバロやギターの弦を弾くニュアンスが収録されています。SACDの360度の包囲感とは異なる物の、CDとしてはとても高音質な部類に属する録音ではないでしょうか。

真面目な古楽ファンの方が、純粋に真面目な古楽のLa foriaを期待して聴くと思わず怒りがこみ上げて来るようなアルバムですが、はじめからこれは古楽をテーマにしたコメディグループによるお笑いパフォーマンスとして割り切ればかなり楽しめるアルバムではないでしょうか。
またSACD層のマルチ再生ではマルチサラウンドを生かした効果音が楽しめますので、マルチ再生を楽しみたい方にもお勧めできる高音質アルバムだと思います。
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by buckup | 2005-07-26 04:01 | SACD。 (63) | Trackback | Comments(0)
BROTHERS IN ARMS -Dire Straits
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1978年にデビューしたDire Straitsの1985年に発売された6枚目のアルバムの20年記念としてSACDとして再リリースされたアルバムです。このアルバムは全世界で二千万枚セールという快挙を誇るアルバムで、DSD&ハイバード仕様・SACDはマルチチャンネルにも対応しています。
どの曲も何処かで聴いた曲ばかりで、80年代の洋楽に詳しい僕のパートナーによると、ドイツではいまでもラジオでよく流れる人気バンドだそうです。

AURAで聴くCD層は、これぞ英国ロックという骨太の音質で、特にエレキギターの音と渋いヴォーカルに痺れるほどです。SACDマルチ層では、とても旨く自然にサラウンドにリミックスされていて、1985年にリリースされたオリジナルのアルバムのファンの方にも違和感無く聴く事が出来ると思います。僕の一番のお気に入りは、トラック2に収録されている彼らの代表作でもあるMONEY FOR NOTHING」。ミステリアスなイントロは勿論前後のSPを使用したサラウンド。そして霧が晴れるようにフロントSPから流れる力強いドラム。それに続くアノ独特のギターのリフ。そしてまるで合いの手を入れるようなディストーションばりばりのギターのコードはリアSPからと、もう本当に最高にリミックスされた一曲です。
またこれもSACDの恩恵ですが、トラック4冒頭のトランペットの音もCD層とは異なり実にリアル。やはりより広い倍音を拾えるSACDならではのリアル感といえると思います。

Dire Straitsファンは勿論、今まで聴いたことの無い方にもきっと楽しむことの出来るそんなアルバムです。特にマルチ環境の方にはお勧めの高音質、良マルチMIXなアルバムです。
しかし80年代のアルバムがこんなに新鮮に、斬新に蘇る可能性を秘めているのを聴いてしまうと、学生の頃に良く聴いた懐かしいアルバムのSACDでの再販を望んでしまいますね。(笑)
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by buckup | 2005-07-24 07:05 | SACD。 (63) | Trackback | Comments(2)
Dream come!! -今日届いた物。
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先週の日曜日にネットオークションでGETした品が今日届きました。届いた品は上の写真のように17kgもある両手で何とか持てる感じの大きなダンボールの箱。中身はKEF社のセンタースピーカー・XQ2c。
実はこのXQシリーズ、以前から目をつけていたもので(憧れていた?)、幾度かフロント用にXQ1を買いそうになっては、踏みとどまってきた経緯があります。何と言ってもそのデザインとSACD対応のハイスペックから、ずっ~と僕にとって夢のスピーカーだったわけです。しかし最近はXQ1よりもセンターのXQ2cの方がさらに気になっていました。理由は以下の通りです。

KHT3005の音質には非常に満足していたのですが、DVDやTV鑑賞時のセンタースピーカーの音が今ひとつ硬い感じが以前からありました。ご存知の通りDVD鑑賞時にはその60%(それ以上?)の音がセンタースピーカーから出ています。人によってはセンタースピーカーが不要という説を持っている方もいるようですが、僕としてはサラウンドを構成する際、一番大事なのはセンタースピーカーだと思っています。何しろ前述のように殆どの音情報がセンターから出るわけですから。。。
そんな矢先に今回のXQ2cのGETとなったわけですから、これはまさに「Dream come true!」という感じです。

早速届いたXQ2cの梱包を解き(オークションの出品内容では展示品ということでしたが、完全に新品のようでした。)セッティング。ちなみに色はシルバー。シルバーといっても、銀色というよりはライトグレーのラッカー仕上げという感じで中々落ち着いた雰囲気です。
TVの上に実際にセッティングしてみますと、今までのKHT3005のセンターのおよそ5倍(!)の大きさを誇るXQ2cは、見た感じちょっと威圧感があります。(我がパートナーには絶対に不評でしょう。苦笑)
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ケーブルはとりあえず今まで使用していたKimber社の4TCシングルワイヤをそのまま使用。後々は8TCのバイワイヤリング仕様に変更したいと思っています。
シングルワイヤで接続する場合、HFとLFを付属の金属プレートで繋ぐ必要があるのですが、大抵この付属のプレートでは音が悪いというのが通説。そこで以前このセンター用の4TCを短く切った際の残りを持ち出して、ジャンパーを作製。しかしKimberのケーブル群の皮膜を剥くのは結構時間が必要なので、その間は付属のプレートのままでまずはDianne ReevesのSACD「The Calling」を試聴。何と言ってもヴォーカルがセンターに割り当ててあるこのSACDは新しいセンターSPの実力を測るには持って来いです。
皮膜を剥きながら感じたのは「わぉ!ヴォーカルがとても滑らか!」でした。実際にXQ2cを聞いてみるまでは、他のKHT3005群とバランスが取れるかどうか心配でしたが、まさに「NO PROBLEM!」。バランスは崩れるどころか、以前よりもより各SP間の音がブレンドする感じになったのには驚きました。UniQユニット、恐るべしです。(笑)またKEFの上位シリーズ・Referenceシリーズにも採用されている”super audio' HypertweetersTM”のおかげか、ドラムのハイハットの切れやピアノの高音部のリアルさなどが格段に増したように感じられます。
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という訳で上の写真は完成した手製4TCジャンパー。写真では+と-に分けてありますが、ジャンパーの場合は分ける必要が無かったのを接続の時に気付きました。(汗)習慣というのは怖い物です。

さて付属のプレートから4TCジャンパーに交換してみると確かに手製のジャンパーの方が音がより新鮮に、雲が晴れて明るくなった感じになりました。(笑)
ちなみに今は3ch再生が特徴のLiving StereoのFritz Reiner指揮のシカゴ響の演奏でRimsky-Korsakovの「Scheherazade」を聴いていますが、これはKHT3005とはもう別次元です。(驚)
勿論XQ2c今日繋いだばかりの新品なので強音時に少々音がこもる感じはするものの、音の広がり、解像度、リアル感、どれもKHT3005センターSPよりも格段に良い感じです。(勿論そうでなくては困りますよね。KEFさん)

これからどのように変化していくのか非常に楽しみなスピーカーです。とりあえず今日はSACD中心に音慣らし。今晩には待望のDVD鑑賞を予定しています。
あ~センターにこんな好みのSPを見つけてしまったとなると、フロントSPのXQ化の誘惑に負けてしまいそうです(僕の目に間違いはありませんでした。笑)。あ、でもセンターをXQにすると、KHT3005を寝室用に回せますね。経済的かもしれません。(殆ど言い訳状態。汗)ちなみにセンターに今まで使用していたKHT3005はリアセンターに廻して、6,1chを構築しようと思います。
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by buckup | 2005-07-21 21:38 | AUDIO。 (69) | Trackback | Comments(4)
MY SHINING HOUR -Greetje Kauffeld&Paul Kuhn trio
2004年9月24~25日にドイツ・WeinheimにあるMuddy´sClub Studiobühneで録音された、オランダのJazzシンガー・Greetje KauffeldとドイツJazz界の重鎮・Paul Kuhn率いるトリオによるライブコンサートの模様を収めたアルバムです。
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例の如くこのアルバムを購入するまで、この女性Jazzシンガー・Kauffeldの名を聞いた事は無かったのですが、彼女のハスキーだけど非常に滑らから声質に、一曲目の「HAPPINES IS A THING CALLED JOE 」を聞いた瞬間から虜になってしまいました。(笑)
アルバムは、これぞJazzヴォーカルという感じの、とても聴き易いHaeold Arlenのスタンダードナンバーから成り、中には「OVER THE RAINBOUW」などの誰でも聞いた事のある名曲までしっかり収録されています。

CD層の録音は悪くないものの、少々平面的な再生音となっています。しかしハイハットのヒット感、カウベル等のドラムセット系の音質は非常に良好です。
それに対しSACD層マルチでは、KAUFFELDのヴォーカルが、まさにライブのような適度にエコーのかかったマイク音と共に前面にはっきりと浮き出てきます。またピアノの音も旨い具合に前後のSPを駆使している為に、極自然に部屋全体に音が展開する感じになります。CD層では少々気になった(大きすぎた)SAXの雑音もSACD層では程よく全体のバンドの音に溶け込み、良い感じです。マルチ再生ではその独自の包み込むような音の展開の仕方からか、ライブの雰囲気が非常に良く出ています。

オランダ出身にも拘らず、まるでネイティブのような発音のKAFFELDのヴォーカルも聴いていて気持ちよいですし、PAUL KUHNトリオのかっちりとしたアンサンブルも非常に素晴らしいです。
本当に久しぶりに聞いた良質のスタンダートJazzという感じがするアルバムで、沈んだ気分で聴いても自然とリラックスできるようなゴキゲン(死語?)なアルバムです。
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by buckup | 2005-07-19 21:24 | SACD。 (63) | Trackback(1) | Comments(2)
Digital cable -同軸か光か。
DVDプレーヤーの高音質サラウンド(db DigitalやDTSなど)を楽しむ場合、DVDプレーヤーからこれらのデジタルフォーマットに対応したAVアンプにデジタルケーブルで繋ぐ必要があります。そこで2つのケーブルの使用の可能性が生じるわけです。
一つは光ケーブル。光ケーブルとは高純度の石英ガラス等で出来た透明な細い線(光ファイバー)を束にしたものです。 光ケーブルの長所は色々ありますが、主には長距離・大容量の伝送に優れています。 また電磁誘導を受けないため、雷やノイズの影響を受けません。
そしてもう一つは、同軸ケーブル。同軸ケーブルとは銅芯などを絶縁体で包み、その周りをさらに編んだ銅線で覆い、外側をビニールでくるんだケーブルです。メッシュ状の銅線で覆う事で、外からの電磁波の影響を受けにくくしています。
この2つの異なるデジタルケーブルによってDVDのデジタル音声情報をAVアンプへと出力できるのです。

さて問題はどちらの方が音質的に良いのかというわけですが、僕がいつも参考にしているSONYのAVアンプの生みの親である「かないまる」さんという方のHP(ブログでは無くHPなのであえて直リンクは避けさせて頂きました。興味のある方はgooglなどで検索されてみてください。)に回答が出ていました。
DVDの場合は同時ケーブルの方が光ケーブルより音質的に優れるということらしいのです。以前から熟読していたこのHPの助言にもよらず、実は今日までDVDの接続には光ケーブルを使用していました。というのも高校の頃から馴れ親しんだ光ケーブル。惰性でずっと使っていたわけです。(汗)
そして今日とある事情により、AVラックを動かす機会があったので、以前から気になっていた同軸ケーブルへと交換してみたわけです。(同軸ケーブルはすでに1年前に入手済み。にも拘らず今まで試さずにいるとは、保守的というか怠け者というか。。。)

さて結果から申し上げますと、同軸ケーブルの圧倒的勝利です。とりあえずケーブル交換後、音質バランス的に非常に難しかった「ロード・オブ・ザ・リングス 王の帰還」を鑑賞。まず今まであれほど苦労していた低音のコントロールが、何のセッティングの変更無しに非常にすっきりしました。また唯重低音が出ているのではなく、今までとは比べ物にならないほど表情豊かな低音が再生されたのでした。
またサラウンドの繋がりもより滑らかに、そして今まで聞こえなかった小さな音のディテールまでもが聞こえるようななりました。あと同軸ケーブルの最も大きな恩恵は、大音量になったときでも音がまろやかで、うるさくないという事でしょうか。
というのも、いつもは戦闘シーンなどで必ず「音量を落とすように!(怒)」となる我がパートナーが驚く事に最後までこの言葉を発さなかったのでした。これは驚きに値します。
またその後DVD入力のまま「ROAD to PERDITION」と「KINGDOM OF HEAVEN」の2枚のサウンドトラックを聴いてみましたが、これも格段に音質向上。特に「ROAD to・・・」ではテーマの美しいピアノのソロの音が割れてしまうという正体不明の音質の問題も解消。これでDVDもサウンドトラックもストレス無く楽しめるというわけです。(笑)

という訳でDVDプレーヤーからAVプレーヤーへと繋ぐ場合、同軸ケーブルがお勧めです。まだ同軸ケーブルを使用したことが無く、光ケーブルのみでDVDを楽しんでいた方には是非同軸ケーブルを試されられる事をお勧めいたします。(笑)

さてDVDプレーヤーがユニバーサルプレーヤーの場合、SACDのマルチ再生が楽しめるわけですが、SACDのマルチ再生を楽しむ場合はアナログで繋いでやる必要があります。というのもSACDの膨大な情報量はデジタルケーブルでは容量的に不十分で、もしSACDをデジタルで再生したい場合はi-Linkという企画が必要になります。という訳でSACDをマルチで再生させる為には、5,1ch分のアナログケーブルをDVDの音声用のデジタルケーブルとは別にアンプに繋ぐ必要があります。これによりはじめてSACDのマルチチャンネルを楽しめるのです。
SACDのマルチ再生とは、CDを5,1chサラウンドで楽しむPrologic2とは全く異なる世界ですのであしからず。


-これは今まで使用していたOEHLBACH(ケーブルメーカーとしては定評ある)の最高ランクの光ケーブル・XXL80。同軸ケーブルはStraight WireのMegalink II を使用。
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by buckup | 2005-07-17 09:14 | AUDIO。 (69) | Trackback | Comments(0)
REQUIEM -Wolfgang Amadeus Mozart
ドイツに来てから聴く機会の増えた宗教音楽。レクイエム、ミサ、スタバト・マタ等数多くの教会音楽を聴く機会に恵まれました。その中でも一番好きなのが(というのも変ですが)レクイエム。まず構成がハッキリしていますし、ミサ曲のようにべらぼうに長いという事も無く、大抵のレクイエムは1~1時間半程度の演奏時間なので僕にとって非常に聴き易い長さなのです。
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ここで紹介するレクイエムは、レクイエムの中でも最もポピュラーではないかと思えるモーツァルトのレクイエムです。
このレクイエムは、大抵のメジャーオーケストラやマイストロと称される指揮者達が数々の名演を残しています。ここで紹介するのは、Nicolaus Harnoncourt指揮のConcentus Musicus Wienという古楽器オーケストラの録音です。
現代オーケストラと古楽器オーケストラの大きな違いは?と思われるかもしれませんが、まず大きな違いは使用する楽器。古楽器オーケストラではその名の通り当時の楽器やその復元を使用し演奏します。その為現代オーケストラよりも、ブリリアントなそして薄めの響きがします。2つ目の大きな違いは、チューニング。
このSACDの録音もそうですが、古楽器アンサンブルではその時代に使用されていたとされるチューニングが採用されています。現代オーケストラが442Hz(ドイツのオーケストラは高めの443Hz、アメリカはその逆に低めの441Hz)が普通ですが、モーツアルトが活躍した時代は、現代よりも低い430Hzでオーケストラは演奏されていました。
一見すると現代オーケストラのチューニングと変わりなく聞こえるこの録音ですが、例えば442Hzにチューニングされたピアノなどで冒頭のDの音を弾いてい見ると、この録音がかなり低い(430Hz)で演奏されているのがわかります。

CD層の音質は良好。低音弦楽器の弦のニュアンスや各ソリストの立ち位置がわかるようなしっかりとした定位感のある録音です。SACD層マルチ再生の音質は、特にCD層2chと比べると如実ですが、CD2ch再生では前面に平面的に張り付いていたような音が一気に開放されます。クラシックのマルチ再生の定番である、ホールの響きをとても旨く生かした自然なサラウンド間のあるミキシングとなっています。
SACDによってはCD層のミキシングとSACDマルチ層のミキシングが殆ど変わらないものもありますが、このSACDの音質とミキシングの差はとても大きいです。

現代オーケストラを聴きなれた耳には、時に金管楽器の音などがとてもシャープに硬く聞こえるかもしれませんが、当時の楽器の構造上(現代のものよりも菅は細く、ベルも小さい)強音時にはとてもシャープな音が出ますし、弦楽器も腸をよじった弦を使ってますので、独特の芯のあるしかしゆとりのある響きがします。
まだ一度も古楽器オーケストラを聴かれた事のない方には持って来いの入門的録音かもしれません。
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by buckup | 2005-07-16 01:20 | SACD。 (63) | Trackback | Comments(0)
steve turre -Steve Turre
深い海のような青を背景に、静かに目を瞑る中国の仙人のような顎鬚を生やした西洋人。この人こそがアルバムタイトルにもなっているJazzトロンボーン奏者・Steve Turre。このTurre、以前こちらでも紹介したように、法螺貝を使用したJazzを演奏する稀なJazz法螺貝奏者でもあるのです。
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このTurre自身の名を冠したアルバムは、僕としては数あるTurreのアルバムでもの中でも最高の出来で、彼の魅力を余す所無く詰まった非常に完成度の高いアルバムだと思います。
アルバムは冒頭から、これからの季節にピッタリのDuke EllingtonのIN A SENTIMETAL MOODをCassandra Wilsonのゴージャスなヴォーカルをフューチャーし、曲開始のヴェルベットなShellの響きは勿論、中間部のソロにはTurreのパートナーであるAkua Dixonの珍しいJazz Celloのソロ等を交え、非常にバラエティーに富んだ、パーティーライクなアレンジとなっています。
得てしてトロンボーン等のインストルメント主体のJazzアルバムは、その楽器の響きや、奏者のパッセージアピールの偏りから聞いていても飽き易いアルバムが多々ありますが、このアルバムはトロンボーン(&法螺貝)主体のものの、様々なアレンジ、スタイル、ゲスト奏者を旨くフューチャーしている為、Jazzトロンボーンファンでない方にも最後まで楽しめるアルバムだと思います。
ゲストミュージシャンには前述のCassandra Wilson(vo)やJ.J.Jhonson(tb)、Jon Faddis(tp)等一流ミュージシャンに加え、数々の名Jazzトロンボニスト(その多くはTurreの友人)やパーカッショニストを加え非常に色彩豊かな音のするアルバムとなっています。

音質面で特筆するのは、トラック5に収められているCOASTIN’ WITH BOBBYにおけるリアルなウインドチャイムの音とリアルなヴィブラフォンの金属感。そしてトラック7のINOCENCUA冒頭の往年のTommy Dorseyを彷彿させるよなBritt Woodmanの柔らかいトロンボーンとそれに対をなすようなプランジャー・ミュートを使用しあたかも歌うかのごとく演奏するTurreの音色等聴き所満載です。

気持ちの良い夜風の吹く暖かい夏の夕暮れ。食事の後の静かな大人の時間。ワインやカクテル片手に聴く、そんなお洒落なイメージの、これからの季節にピッタリのとても聴き易いアルバムです。
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by buckup | 2005-07-15 03:53 | CD。 (36) | Trackback | Comments(0)
Poor Boy Songs of Nick Drake -various songlines
またしても何の前情報も知識もなく買ってしまったSACDが一枚。それがこのPoor Boy Songs of Nick Drakeです。
いつもの如くAMAZONサーフ(オンラインショップAMAZONにて当てもなくSACDを求める行為)中に見つけたのがこの「Poor Boy」。渋めの女性ヴォーカルにJazzともフォーク・ポップとも選別し辛い、しかしとても美しいメロディー、そしていつもお世話になっているSACD情報サイト・SA-CD.net にマルチチャンネル再生表示があるのを確認してから注文したわけです。
しかし手元に届いたこのSACD、SACDステレオでマルチ対応ではなかったのです(残念!)。マルチ再生をSACDの面白みの大きな要因と思っている僕にとって、以前にも書いたと思いますがマルチ非対応SACDは、おまけのないキンダーサプライズのような感があり、ちょっとだけ損をしたような気分になるのです。
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さて肝心のアルバムの方ですが、伝説のフォークシンガーとして語られる(僕は知りませんでした。汗)Drakeの代表作の数々を、カナダやシアトル周辺のJazzミュージシャン達が、Jazz Improvisers(即興)によって創作したとアルバムにありました。参加アーティストは9人。日本人Jazzシンガー・Aiko Shimadaさんという方も参加しています。
音質はSACD層は2chステレオのみですが、さすがにCD層のステレオと比べると、音の深み、現実感、奥行き感などは格段に良いです。それとやはり何とってもパーカッション(例えばトラック6のシンバル群)の響きはSACDならではのリアル感が格段に増します。
CD層では少々のっぺり感のあるピアノと女性ヴォーカル陣も、SACD層ではのっぺり感が解消され、一皮向けたように音が開放される感じです。
不思議なのは、CD層とSACD層では基本的に同じ2chミキシングの筈なのですが、SACD層を聴くと、あたかもマルチチャンネルのような音の展開をするのです。もしかしてこのSACDはマルチ対応なのではと思い、前面SPのSPコードを抜いてみたところ、やはり2ch再生でした。このようなマルチ的音の展開を見せるSACDステレオ録音は非常に珍しいと思います。
あともう一つ不思議なのが、どうしてもうちのシステムではCD層で出る低音がSACD層では思うように出てこないのです。その為SACD層では低音の引っ込んだハイ上がりの再生音となってしまいます。かなりサブ・ウファーのレベルも上げているのですが、何故か低音が出てきません。SONYのアンプに問題があるのか、このようなミキシングなのか非常に気になるところです。

Nick Drakeファンの方が聞くと、果たしてどの様な感想を持つのか想像もつきませんが、Nick Drakeのオリジナルを知らずに聴いても非常に楽しめるアルバムだと思います。
参加アーティストの質も非常に高く、アレンジもとてもユニークなものになっていますし、なんといっても伝説のフォークシンガーと称されるDrakeによって生み出された、非常にナチュラルなメロディーが聴いていて気持ちよいのです。
Drakeファンは勿論の事、まるで小さめのライブハウスで聴いているような臨場感のある音とアルバム構成は、Jazzファンの方々にも楽しめるアルバムだと思います。
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by buckup | 2005-07-12 03:08 | SACD。 (63) | Trackback(2) | Comments(4)


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