独逸より日々愛用しているお気に入りを・・・風の吹くままに、気の赴くままに。
by buckup
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TINTO -Los OtRos
ストレートの長い黒髪が印象的なガンビスト(Gambist)Hille Perl。彼女はドイツ生まれで音楽家の家庭に生まれ、なんと齢5歳からViola da Gamba(見た目はチェロのようだが、その音と奏法は完全にチェロとは異なる)を弾き始め、勿論今では世界を代表する最高のガンビスとのうちの一人です。
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このアルバムでは彼女の夫であるLee Santanaとイギリスのバロックギター&ヒストリーダンスの名手・Steve Playerの3人からなるアーリーミュージックアンサンブル・Los Otrosが16世紀~17世紀のスペイン・イタリア音楽を非常に熱く演奏しています。
特に僕のお気に入りはトラック2に収められている「Antonio Martin Y Coll:Diferecias sobre las Folias」。とても哀愁を帯びたバロックギターと流れるようなガンバの音が非常に心に響きます。勿論その他の曲も非常に高レベルの素晴らしい演奏で、特にこの時代の音楽を聴いたことの無かった方々にとって、彼らの弾くバロックギターの熱い演奏(時にロックの如く激しい)は衝撃となる事でしょう。(笑)
音質は非常にクリアで高音質のとても満足のいくレベル。程よいエコーが聴いていて気持ちよいです。(教会収録にも拘らず、非常にクリアで完璧なエコーレヴェルです。)特にギターの弾く音やBiola da Gambaの貫くような凛とした音の特徴を非常に旨く収録している秀逸なアルバムです。

2年ほど前に仕事の関係でこのアルバムのギターリスト・Steve Playerと共に食事に同席させて頂いた事があるのですが、とても気さくな方で多くのピリオド楽器奏者の例に漏れず非常に博識な方でした。またダンスの腕前もヨーローッパでトップを行く実力の持ち主でテレビ出演は勿論の事、各地で催されるフェスティバルにも多く出演しています。
またこの食事の席に同席したある人が「イタリアのタランテラ(毒蜘蛛)という踊りをまだ見たことが無い。」というと、その場で踊って見せてくれたりする非常にサービス精神旺盛のとても興味深い方でした。
このアルバム・TINTOは僕のお気に入りのアルバムで、HPの更新時や文章作成等をしなければいけない時など、BGMとして流していると非常に良いテンポで文章の打ち込みができる(筆が進む!?)僕にとって欠かせないアルバムのうちの一枚でもあります。
特に本当にこれは古楽なのかと見紛うほどの激しいギター陣(実は古楽というのは想像よりも遥かに情熱的で時に激しい)の演奏は聴いていて清々しさを感じるほど気持ちのよいもので、気分の落ち込んでいる時や元気の無い日の活力剤ともなる一枚です。
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by buckup | 2005-09-30 20:50 | CD。 (36) | Trackback | Comments(0)
Dali Bananas -あなたはバナナ派?
あなたはバナナ派ですか?それとも直付け派ですか?なんてオーディオファンでない人が聞いたら「???」な質問ですね。(笑)
ここで指すバナナとは勿論ゴリラの大好物の黄色い果物のバナナではなく、スピーカーとスピーカーケーブルを繋ぐ際の接点プラグを指します。また一口にバナナといっても各社から様々な形式の物が出ていますが、僕のお気に入りはWBT社に代表されるような、ケーブルをねじで固定するタイプのもの。
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今回僕が入手したのはデンマークのオーディオ機器メーカーのDali社製のバナナ。火曜日にネットオークションでGETしたものが何と早々に今日(金曜日)届いたわけです。(嬉)

現在、うちのシステムではフロントとセンターSPにはKimber社製のケーブルにKimberオリジナルのバナナもしくは前述のWBTのバナナを使用しています。しかしリアSPはOehlbach社製のケーブルをSP端子に裸のまま直付けしていました。という訳で早速今日届いたDaliのバナナをリアSPにつけてみました。
作業は簡単。まずはケーブルの古い接続部分を切断。そして新たにケーブルの外皮を剥き、バナナに直接接続。本来はWBTと同じようにケーブルの接続部分を金メッキされたスリーブを圧着させてからバナナに接続した方が良いのでしょうが、今回は直接接続してみました。(理由:スリーブが手元に無かった。汗)
接続後、早速2~3枚のSACD(マルチチャンネル)を聴いてみましたが、リアの音がよりクリアになり、またフロントとの繋がりもより向上しとても小気味良いサラウンド感を得る事が出来ました。全体的印象としては音がタイトに、無駄な贅肉をシェイプアップされた感じになりました
これは全くの個人的見解なのですが、KEFのSPはケーブルをターミナルに直付けするよりも、バナナもしくはYラグを介した方が、濃密にかつ広がりのある音になるような傾向にあるような気がします。特にWBT社の製品とはとても相性が良いようです。
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今回のお洒落で落ち着いた外見のDaliのバナナ、とてもよい傾向で鳴ってくれており本当に運の良い事にうちのシステムの音向上に一役買ってくれたようです。
オーディオを趣味にしているとアクセサリーというのは非常に危険な領域だと思うのです(はまってしまうという意味で)。というのも物によっては安価でも即効果が聴き取れるもの、また信じられないほど高価なのに殆どその効果に気付かないもの等様々です。(勿論聴く人によってもその効果、効能はきっと違う事でしょう。)僕が思うに、バナナは他と比べると比較的安価な割りにその効果がわかりやすいアクセサリーだと思います。今回は見ず知らずの製品に手を出してみたわけですが、結果的には良い効果を得られた結果となり非常に満足しています。

秋の夜長の音楽鑑賞とDVD鑑賞。これでまた楽しみが一つ増えた感があります。(笑) さてさて次はいよいよフロントSPの新規購入を今年の暮れまでに予定。どのような方向にうちのシステムの音が発展していくのか非常に楽しみです。
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by buckup | 2005-09-24 06:50 | AUDIO。 (69) | Trackback | Comments(0)
Ulisses -Cristina Branco
ラテン的な非常に美しい黒髪の女性がジャケットのこのアルバム。ジャケットの美女は勿論このアルバム全編を歌うCristina Branco。ポルトガルのFadoという民俗音楽をベースに歌う彼女。このアルバムを聴いてまず驚いたのは、彼女の信じられないほど澄んだ伸びのある哀愁のある歌声。早朝の空気のように澄んだ彼女の声はまさにクリスタルヴォイスとしか形容のしようが無い、久しぶりに聞いた本物の超美声シンガーです。
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彼女の歌うFadoというのは、ポルトガル首都リスボンで生まれた庶民の為の民族歌謡で、いわば日本でいう本道を行く演歌のような存在で、Fadoとは運命、宿命を意味し、この名の通りBrancoの歌うこのアルバムも非常に運命的な、時に深い哀愁に包まれる民族色の非常に濃いアルバムです。
基本的にFadoは、一人の歌い手に12の弦を持つポルトガルギターとクラシックギターを使用し原則的にはマイクロフォンなどのPA機器を使用しない自然の音で演奏されるのが伝統で、このアルバムも前述のギターに加えピアノとバスを加えた演奏となっていて、ドラムやその他の電子楽器は一切使用しない非常にナチュラルで優しい音作りがなされています。

SACD層マルチの音質は少々硬めですが、それが彼女の透き通った声質と、はじける様なポルトガルギターの音質をより際立たせているような傾向があります。それに加え非常にクリアでリアルなピアノの音質を楽しむ事が出来、彼女のFadoをベースとしながらも、Jazzやボサノヴァ的要素を取り入れた民族色豊かな音楽を高音質で楽しめます。
マルチのサラウンド感は非常にニュートラルで、これがマルチ再生であることを聴いているうちに忘れてしまうような自然な広がり感持った仕上がりになっています。
CD2chも非常にクリアな音質で彼女の美声を楽しめますが、各楽器の音の離れはSACDの方がはっきりとしていて、CD層では少々平らな響きとなっています。
うちのシステムではこの平面的な音の対策として、SACD時よりもSPをよりフロントにセッティングすることによって音に奥行き間を持たせる事が出来ました。

しかしSACDというのは本当にギター系の音に強いということを再認識させられたアルバムでした。全編を通して演奏される民族色豊かなポルトガルギターの硬質な音がとても気持ちよく、気分はまるでリスボンの港町で彼女の歌声を聞いているかのような太陽の明るさと、月の哀愁を帯びた非常に民族色の濃い、特徴的なアルバムです。
実はFadoを聴いたのはこのアルバムが初めてですが、彼女の素晴らしいまでの透き通るような美声とアコースティックな響きにとても魅了されたアルバムでした。
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by buckup | 2005-09-21 00:10 | SACD。 (63) | Trackback | Comments(0)
iPod nano -思わずポチってしまった物。
カテゴリーDigitalは本当に久しぶりの更新になります。(何と半年振り!汗)

さて今回思わず購入してしまったのは、今日本でも話題のAplleのiPodシリーズの最新作、iPod nano。何といってもそのセールスポイントは、カラーモニター付きなのに鉛筆よりも薄いというそのサイズ。
購入前から本家HPや他様々なレヴュー記事からその薄さは見て取れた物の、やはり実際に実物を手にしてみてみると、その衝撃の薄さに驚きは隠せませんでした。(笑)
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今回僕が購入したのは容量4Gの白(nanoには2Gと4Gの2種に加え、それぞれ白と黒のカラーバリエーションがある)。人によっては4Gでは容量が小さすぎるという人もいますが、音楽鑑賞はあくまでも家でのステレオシステムでが中心の僕としては十分すぎる容量です。
nanoは上の写真のような、隙間の殆ど無いダンボールの外装に包まれてうちに届きました。shuffleが届いた時は、大き目の箱の中に梱包材も無しに動き放題のまま送られたことを考えると、今回はとてもしっかりとした梱包でした。
nanoの入っていたケースはちょうどダブルCDと同じ大きさの、高級感溢れる物。そのままCDに混じって置いてあったとしてもきっと解らないでしょう。。。
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そんなケースを開けてみると向かって右側にnano本体が。そして左側には付属品が入っていました。付属品は前回のschuffle同様、まるで薬でも入っているかのような、完全密封の白い袋(?)に入っていました。
外国に住んでいて、大抵の電化製品を購入した時に感じる事に「あ~日本人でよかった。」とホッとするのは、上の写真のように、注意書きに日本語表記があり、日本同様にそれを読めること。本当に大した事ではないのですが、ホッとする瞬間でもあります。(たとえ其処に書かれているのが「音楽を盗用しないで下さい。」だとしても)
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nanoの内訳は、本体、イヤホン&パッド、同軸用USB2.0ケーブル、ドッグアダプター、ユーザーズガイド(ドイツ語とフランス語)、電子マニュアルとiTunesが収められたCD-ROMが一枚でした。
付属のイヤホンは、その他のiPodに付属される物と同じで、個人的にはとてもニュートラルな音のiPodと相性の良いこのイヤホン、嫌いではありません。
iTunesは以前から使っていたので、今回は開封しませんでした。そして電子マニュアルも、ユーザーズガイドも読まずに、直感的に操作が出来てしまうのがアップル製品のよく出来たところだと思います。というのも最近の電化製品、例えば携帯電話やデジカメ、オーディオ機器(特にAVアンプ等)は年々進化し機能満載になるのは良い事なのですが、それに伴い操作系が複雑化。分厚いマニュアル(ドイツで購入すれば、勿論ドイツ語)にまずは目を通してから出ないとその機能を十分に引き出せない事に最近少々辟易気味だったのです。若い頃は好きだったマニュアル解読も年とともに億劫になってきました。(う、歳を取ったという事でしょうか。汗)そんな中このiPodのようなユーザーフレンドリーな機器は使っていてストレスにならないのも良い点です。(笑)
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そしていよいよnano本体のスイッチを入れると、まずは現れるのが上の写真のような使用言語選択画面。これまた大抵のデジカメ同様、海外で購入したとしても日本語が選択できるのは誇らしいところ。しかし、うちでは日本語を解さないパートナーの事も考慮にいれドイツ語を選択。この言語表示は選択後もセッティングにより変更可能なので、知らない言語を選択してしまっても問題はありません。
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そして早速nanoとノートブック内のiTunesとを同梱されているUSBケーブルで同期。
実は以前購入したshuffleはWINDOWSとの同期に問題があって、一度新品交換したにも拘らず使用できない状態が続いていたのでした。しかし先日うちのパートナーさんがMac miniを購入。Macとは何ら問題なく同期し動作に問題なかったので、shuffleはパートナーさんに、そして僕用に今回のnanoの購入に至ったのでした。そんな訳でこのnanoとwindouwsの同期の瞬間は僕にとって一番の緊張の瞬間。しかし今回は何の問題も無く同期し、音楽の読み込みも、書き換えも無事動作しました。
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さてここで問題が発生。同期後にUSBケーブルをnano本体から抜こうとしても抜けなかったのです。通常のUSBケーブルのように唯単に引き抜こうとしたのですがケーブルと本体がガッチリとはまって抜けないのです。さて困った物だと思い、ケーブルの接続部をいじっていると、このケーブルは両サイドを軽く押す事によってロックが解除される仕組みになっているのを発見。iPodユーザーの方々には馬鹿馬鹿しいことかもしれませんが、iPod初心者の僕には冷や汗的な場面でした。。。
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さてnanoの使用感ですが、当初心配であったクリックホイールも非常に使用しやすく、本体の高級感もあり、非常に所持欲を満たす丁寧な仕上げとなっています。しかし個人的に好きではないのが、他のiPodシリーズ同様の平面のミラー仕上げ。
基本的にミラー仕上げ(クローム仕上げ)は好きなのですが、操作で手にする事の多いnanoの背面を、指紋がベタベタ付き捲るミラー仕上げにした意図が僕には解りません。それがiPodだといってしまえばそれまでですが、個人的にはshuffleやiPod miniのような鏡面仕上げではない背面パネルの方がさらに好感をもてたような気がします。
音質面もshuffleに比べるとかなり良好で、schuffle試聴時に気になった平面的な奥行きの無さがnanoでは格段に改善(?)されていて、Jazzヴォーカル物などもそれなりに楽しめるようになっています。
個人的には携帯プレーヤーには本格的なオーディオ機器のような最高の音を求めているわけではないので、十分に音楽を楽しめるレヴェルの音質だと思います。(何せ携帯音楽プレーヤーの使用条件である屋外には様々なノイズがありますから。。。)
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iTunesとの同期も終了し、iTunes内の音楽の移行も完了。勿論nano内のゲームも堪能。付属の世界時計の設定も終了し、残るはアートワークの移植。カラー表示の出来るモニターの付いているnanoでは再生中の音楽が収められているアルバムのカバーフォトを曲名と共に表示する事ができるのです。
其処で僕が使用したのが「iTunes Art Importer」。これはiTunes内に収録されている音楽のジャケットフォトをネット書店のAmazonから自動的に探してきてくれるという優れもののプログラム。しかし中にはこのImporterの検索に引っかからないアルバムもありますが、それは手動で(自分で)ネット内からアルバムフォトを見つけることによって簡単にiTunes内にインポートする事が出来ます。
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前回のshuffleも満足のいくものでしたが(僕のノートブックと同期できなかったのは残念でしたが)、今回のnanoには文句の付け所の無いほど気に入りました。この薄さ、サイズにiPodの全機能を盛り込み、且つ携帯性に優れ、音揺れのないプレーヤー。音質も屋外での使用を考えれば僕には十二分ですし、何よりスタイリッシュ。これでつらいお腹の贅肉対策用のフィッネスにおけるステッパー30分やバイク45分も今度こそ楽になりそうです。(笑)

※afuturaのO崎さんのブログでの先日の衆議院選とnanoの意外な関連性を扱った記事「nanoなの」も是非ご覧下さい。非常に独特且つ素晴らしい見解です!
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by buckup | 2005-09-17 20:56 | Digital。 (23) | Trackback | Comments(4)
G.Gershwin:Concerto in F & M.Ravel:Concerto in G   -Pascal Roge & RSO Wien
僕の一番好きなオーケストラと指揮者のカップリングは、以前にも書いたようにデュトワとモントリオール響。そしてそこにソリストとして起用されていたのがPascal Roge。そんな理由でDECCAからリリースされている彼のソロアルバムも何枚か所有しています。
DECCAの録音では非常に軽やかな、とても技巧的でまさにエスプリの香り漂う優雅なピアニストという印象がありました。その技巧的余裕と優雅さは今回のラジオシンフォニーオーケストラ・ウィーンとの饗宴でも発揮されていますが、今回はSACDという事もあるのでしょうか、繊細且つ技巧的、優雅さに加え、タッチの力強さと正確さ、ダイナミックな力強いRogeを垣間見る事が出来ます。
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George Gershwinのピアノコンチェルトといえば、おそらく誰もが知っているであろう「ラプソディー・イン・ブルー」が有名ですが、この「Concerto in F」はラプソディ・イン・ブルーよりもよりシンフォニックで、どちらかというと「パリのアメリカ人」や「キューバ序曲」的なより重厚な、シンフォニックな音で構成され、ピアノのソロ部とオーケストラの駆け引きもよりスリリングな物となっています。特に今回の録音では14分弱にも及ぶ1楽章でのRogeの力強いffでのタッチとオーケストラとの掛け合いが見ものです。
Ravelのコンチェルトは5本の指に入る僕の好きなピアノコンチェルトで、それだけに僕なりに思い入れのあるコンチェルトでもあります。という訳で少々辛口のレヴューとなってしまいます。
今回の録音ではRogeのピアノソロは申し分ないのですが、個人的には今ひとつRSO・Wienの演奏に不満が残りました。例えば冒頭の軽快なピッコロフルートのソロや要所要所で多用されるJazz的フレーズのソロ楽器が余りにもそっけなく演奏されているように思えました。その反面、ロジェのピアノ主導のの2楽章はとても美しく、オブリガート的存在ののオーケストラ、特に弦楽器の響きは重厚なヨーロピアンサウンドでとても旨くRogeの情緒豊かなソロをサポートし、抑制の効いた渋い演奏を聴かせてくれます。そんな2楽章の演奏とは裏腹に、3楽章は気合が入りすぎてしまったのでしょうか、各ソロ楽器ががんばり過ぎのように聞こえます。3楽章は全体的にデュトワの色彩豊かな演奏に比べると、一直線全力投球な感が否めません。

SACD層マルチの音質ですが、個人的にはピアノの響きは良好。しかしオーケストラの音は全編を通してバス寄りのミキシングがなされているように思います。その為特に強音時はバスが膨らみすぎる傾向にあり、折角のバランスを崩してしまっているような気がします。またその影響でバスドラムが異様に大口径に聞こえてしまうのも難点でしょうか。(ティンパニーは問題なし)このディスクではマルチ再生によるリスナーを包み込むサラウンド感は、かなり音量を上げないと得られません。しかし音量を上げた時の包み込み感は良好で、録音時の丁度ホールの真ん中のあたりにセットされるミキシング席で聴いている様な感じで音が展開します。
CD層はSACD層に比べると混濁感はあるものの、SACDマルチ再生よりも元気で、Rogeのピアノがとても力強く、「これがRoge???」という感じがするはじけた演奏となっています。結論から言いますとSACD層のマルチ層よりも音が前面に出て、ピアノもオーケストラも非常にスリリングな演奏という印象になりました。
SACDとCDどちらが本当の演奏に近いのかというと、SACDの方が生の演奏に近いような気がしますが、録音したディスクとしての優秀さはCDもしくはSACD2ch再生のほうが優秀な気がしました。

久しぶりに聴いたRogeの演奏(10年ぶり?)ですが、彼のエスプリの効いた軽やかで優雅な演奏はそのままに、年と共に得た貫禄と力強さが好印象なアルバムでした。
その反面、オーケストラを長らく2chで録音してきたエンジニアと、ここ数年でSACDマルチミキシングへと移行したエンジニア達のミキシングスキルの難しさを考えさせられたアルバムでもありました。
SACD2chでは長年培ってきた2ch録音技術をそのまま利用でき、且つCDよりもよりダイナミックでまろやかな音を作り出せるSACDメディアですが、5,1chを利用してオーケストラの演奏だけではなく、ホールの響きそのものを再現してしまおうというSACDマルチミックスでは、ミキシングエンジニアの感性、音楽性、それにアイディア等が非常に問われる難しい物だとこのディスクを聴いてみて感じました。
特にこのホールそのものの響きをも盗んでしまおう(?)という贅沢な試みを行っているのが数々のSACDのオーケストラのディスクで、それなりの非常に素晴らしい効果を出しているSACD録音も数々ありますが、SACDオーケストラのディスクでは実際にはまだマルチミキシングスキルは2chステレオミキシング技術に追いついていないのが現状ではないかというのが、僕の個人的で勝手な見解です。多分そんなわだかまりが自分の中にあるので、僕のSACDコレクションを見渡しても、大編成のオーケストラ物が圧倒的に少ないのでしょう。。。
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by buckup | 2005-09-10 01:26 | SACD。 (63) | Trackback | Comments(0)
Rega PLANET2000 -最近とても気になるCDプレーヤー
Rega PLANET2000。イギリス生まれのこのCDプレーヤーは一般にレコードのような柔らかい響きでCDを再生できる稀有なCDプレーヤーという評価がなされています。Rega社は今現在もアナログレコードプレーやに力を注ぎ、そのアナログプレーヤーの響きを受け継ぐCDプレーヤーをというコンセプトの元にこのPLANET2000を作り上げたようです。
しかしレコードのような響きのするCDプレーヤーとは?これはいわゆるイコライザーで高音域をバッサリと切り落とし、低中域を持ち上げたもさっとした響きなのか、それともSACDのように倍音豊かな(CDの再生特性からは当然無理ですが)本当に柔らかい響きなのかとても気になります。
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いま使用しているドイツ・Arcus社のFirst Class CD-Playerはこれといった問題も無く、とてもニュートラルな響きのする優等生的CDプレーヤーです。しかし最近、この優等生的な部分が気に入らず(?)愛読しているドイツのオーディオ誌のテスト評価欄を眺めていると、2000~4000ユーロ(27万~55万円)級のCDプレーやの中で唯一の10万円以下のプレーヤーとしてノミネートされ、しかも数あるCDプレーヤーの中でも2つのプレーヤーしか貰っていない5つ星(最高評価。もう一つはAudionet Art V2)を受けている非常に評価の高いプレーヤーという事で気になり始めた次第です。以前にも書きましたがこの雑誌の評価は全体的に信頼できる公正な評価がなされているのですが、さすがに雑誌の評価だけを頼りに即購入というのはリスクが高すぎるような気がします。(笑)

残念ながらドイツではこのRegaを扱っているショップが少なく(殆ど皆無)、実際に試聴してみたいのですがとても難しそうです。もしこのブログをご覧になっている方々の中で、実際にこのRegaのPLANET2000を試聴した事ある、もしくは愛用されているという方がおりましたら是非是非コメントお願い致します。
アナログプレーヤーのような響きのするCDプレーヤーの音。今日もまたこの摩訶不思議な評価の下されているCDプレーヤーの音への妄想は膨らむばかりです。。。
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by buckup | 2005-09-09 19:45 | AUDIO。 (69) | Trackback | Comments(0)
verde -Badi Assad
猛暑だった日本とは裏腹に、今年も2年連続の冷夏だったドイツ。そんな愚図ついた天候の為か、真夏に紹介しようと思っていたディスクを紹介しないうちに既に秋目前です。(汗)
今日紹介するアルバムもそんな暑い夏にピッタリだった筈の一枚。ブラジルサンパウロ近郊の生まれで、超絶技巧で有名な世紀のギタリストと称されるアサド兄弟を兄にもつBadi Assadのニューアルバム(2005年2月にリリース)です。
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彼女自身もギターの名手であり、幼少の頃よりクラシックギターを嗜み、数々の賞にも輝いた非常に才能に恵まれたギタリストでもあります。今回のアルバムでも彼女のギターの弾き語りをメインに、非常にナチュラルかつ透明感のある独特な世界を展開しています。
アルバムは冒頭からブラジル色を前面に押し出した、まるでカーニバルのような力強いBadiのヴォーカルと男性コーラス、パーカッション、男性の雄叫び(?)が絡み合い独特な導入を演じています。その後は非常に聞き易いナチュラルなサウンドの曲を次々に展開。軽やかなボサノヴァは勿論、哀愁漂うバラードやJazz的要素を取り入れた曲や外国人から見たアジア風テイストの曲、それにトラック15に収められている数年前に大ヒットしたフランス映画「アメリ」のテーマ曲「valse d’amelie」を彼女の素晴らしいギターソロで演奏したりと非常にバラエティーに富んだ曲構成となっています。

SACD層マルチ再生ではフロント3チャンネルにBadiのヴォーカル、ギターを中心に据え、その他の楽器がとても自然に360°ぐるりとリスナーを包み込むように展開しとても柔らかい音で再生されます。トラック5に収められている「one」ではパーカッションとハンドクラップ(拍手)がフロント、リアスピーカに面白いようにミックスされていて、度の過ぎないサラウンドでナチュラルな印象のこのアルバムをさらに面白いものにしています。
CD層の音質も優れたSACDアルバムのハイブリッドの典型的なとてもクリアで優秀な音質で、2chながら旨く楽器をステレオに振り分け、2chで聴いても面白いミックスがなされています。しかしそこはやはりCD。やはりSACD層に比べるとヴォーカルは少々硬めな響きがします。

とてもクリアでナチュラルな音質と、揺ぎ無い安定した演奏とヴォーカル、バラエティーに富むプログラムと中々聴き応えのあるアルバムです。アルバム自体も55分弱と短いのですが、最後まで飽きさせずに一気に聴かしてくれるBadi’sワールド全開のアルバムで、僕としてはとても好感の持てた一枚でした。ボサノヴァの軽やかさだけでなく時に哀愁を漂わせるピアソラ的要素も取り込んだ(タンゴではないが)曲目選択は、彼女の多彩なヴォーカルを十二分に発揮させている素晴らしい構成です。このアルバムも熱い一日の終わり、日が暮れる夕暮れ時からソファーにでも座ってゆっくりと聴きたい、そんなアルバムです。(笑)
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by buckup | 2005-09-08 02:14 | SACD。 (63) | Trackback | Comments(2)


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