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またしても何の前情報も知識もなく買ってしまったSACDが一枚。それがこのPoor Boy Songs of Nick Drakeです。
いつもの如くAMAZONサーフ(オンラインショップAMAZONにて当てもなくSACDを求める行為)中に見つけたのがこの「Poor Boy」。渋めの女性ヴォーカルにJazzともフォーク・ポップとも選別し辛い、しかしとても美しいメロディー、そしていつもお世話になっているSACD情報サイト・SA-CD.net にマルチチャンネル再生表示があるのを確認してから注文したわけです。 しかし手元に届いたこのSACD、SACDステレオでマルチ対応ではなかったのです(残念!)。マルチ再生をSACDの面白みの大きな要因と思っている僕にとって、以前にも書いたと思いますがマルチ非対応SACDは、おまけのないキンダーサプライズのような感があり、ちょっとだけ損をしたような気分になるのです。 音質はSACD層は2chステレオのみですが、さすがにCD層のステレオと比べると、音の深み、現実感、奥行き感などは格段に良いです。それとやはり何とってもパーカッション(例えばトラック6のシンバル群)の響きはSACDならではのリアル感が格段に増します。 CD層では少々のっぺり感のあるピアノと女性ヴォーカル陣も、SACD層ではのっぺり感が解消され、一皮向けたように音が開放される感じです。 不思議なのは、CD層とSACD層では基本的に同じ2chミキシングの筈なのですが、SACD層を聴くと、あたかもマルチチャンネルのような音の展開をするのです。もしかしてこのSACDはマルチ対応なのではと思い、前面SPのSPコードを抜いてみたところ、やはり2ch再生でした。このようなマルチ的音の展開を見せるSACDステレオ録音は非常に珍しいと思います。 あともう一つ不思議なのが、どうしてもうちのシステムではCD層で出る低音がSACD層では思うように出てこないのです。その為SACD層では低音の引っ込んだハイ上がりの再生音となってしまいます。かなりサブ・ウファーのレベルも上げているのですが、何故か低音が出てきません。SONYのアンプに問題があるのか、このようなミキシングなのか非常に気になるところです。 Nick Drakeファンの方が聞くと、果たしてどの様な感想を持つのか想像もつきませんが、Nick Drakeのオリジナルを知らずに聴いても非常に楽しめるアルバムだと思います。 参加アーティストの質も非常に高く、アレンジもとてもユニークなものになっていますし、なんといっても伝説のフォークシンガーと称されるDrakeによって生み出された、非常にナチュラルなメロディーが聴いていて気持ちよいのです。 Drakeファンは勿論の事、まるで小さめのライブハウスで聴いているような臨場感のある音とアルバム構成は、Jazzファンの方々にも楽しめるアルバムだと思います。
by buckup
| 2005-07-12 03:08
| SACD。 (63)
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Comments(4)
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sacd_review
at 2005-07-12 21:20
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buckさん.体調はいかがでしょうか。
日本もけっこう暑く、体調管理が大変です。 ところで、今回TBした件なんですが、もし良かったらご協力下さい。 書くたびにTBを送るのがちょっと面倒ですが。 今のところ私の記事しかないのですが、他の方にもお願いしていくつもりです。 ニック・ドレイクですが、本人のベスト盤がSACDで出ているのはご存じですか?私もまだ聴いていないのですが、ブリティッシュ・フォーク人脈が参加しているようですね。
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buckup at 2005-07-13 18:44
sacd_reviewさん、ありがとうございます。まだ完全ではないですが、大分復帰してきました。暑いと本当に体調管理が難しいですよね。是非お体にはお気をつけてください。
さてさてTBの件、協力させていただきます。色々な方々のSACDレビューが見れるようになると楽しそうですね! ニック・ドレイクのベスト盤、購入しようか悩んでいました。というのも破格の安値がついているので、物は試し購入するべきでしょうか? SACDプレスの量が少ないのか、たまに欲しいアルバムがあってもすでに購入不可のものが幾つかありますね。最近注文したアルバムが相次いで在庫無しで購入できませんでした。(残念!)せめてリリースしたアルバムはいつでも買えるだけの流通量が欲しいものですね。。。
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フォトムジーク
at 2005-07-14 05:33
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buckさん、sacd_reviewさん、こんにちは。buckさん、体調回復の方向ですか、良かったですね!。まずは大事にして下さい。ニック・ドレイクは私も詳しくはありませんが、イギリスの伝説的なフォークシンガーだったでしょうか?。確か最後は不幸な亡くなり方をされたのでは?。多分「リバー・マン」という楽曲が有名でしたよね。アナログ盤が高価だったので、CDのリリース、そしてSACD盤はファンには嬉しいものでしょう。私は近年著名なジャズ・ピアニストであるブラッド・メルドーが先の曲を弾いているアルバムを持っていて、原曲の持つ寂しくも、ある種狂おしい感じが出ていて好きです。buckさんの購入された盤では(多分カバーされていると思いますが)この「リバー・マン」、どんな感じでしょうか?。
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buckup at 2005-07-15 03:56
さすがフォトムジークさん。ニック・ドレイクをご存知でしたか。ご指摘の「リバーマン」、収録されていました。このアルバムでは、Jazz的要素よりも、どちらかというとフォーク・ロック調のアレンジがなされていました。でもこの人のとてもナチュラルな旋律はJazzに合うようですね。ブラッド・メルドーのピアノ版も是非聴いてみたいです。
Jazz適要素とフォークの要素が微妙に混ざったこのアルバム。意外とフォトムジークさん好みの一枚かもしれません。笑)
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