|
メスはグリーンのボディーにダークなグリーンとラスターの典型的な羽模様。頭部はこの時代らしいライトグリーン。バード職人の技量によって羽模様の緻密さと美しさにかなりの開きがある。 一見するとトイッカ氏らしいユニークなフォルムに見えるCommon Tailだけど、毎朝の散歩で見かける川辺の鴨を観察してみると実に正確に実写的に特徴を捉えたデザインなのに驚かされる。 横から見るとバードにしては珍しく首の付け根部分が斜めに押し付けられたように見えるけど、実際の鴨もボディーに対し媚の付け根にはこんな感じに斜めのラインになっているのが伺える。 コガモは父鳥と同じ明るいグリーンのボディーに母鳥と同じライトグリーンの頭部にラスターのスポットが入る。ちなみにバード本には"Green with dark spots, clea head, lustre beak"とあるけどこれは間違い。バード本の仕様のようなBaby Commonは見かけた事がない(バード本にはしばしば誤情報があるのは有名)。 毎年恒例となっているアメリカのガラスミュージアムで実演販売される鳥たちを転売ヤーや個人ネットショップ等では試作品や一点物レアモデルと称して法外な高額で売りに出されているけど、実際には毎年イッタラの鳥職人さんたち(大抵は2名)がアメリカに招かれ、普段作っているバードや観衆からリクエストのあったバードをその場のガラス材料と窯を使用して職人さんたちのインスピレーションによって作られる、自分的にはオイバ・トイッカ氏自身がガラス職人さんたちとデザインして色を決めた「BIrds of Toika」とは一線を画す、バード職人さんたちのインスピレーションによる「トイッカデザイン」のバードたちだと思っている(ヌータヤルヴィやイッタラの工場で作られたトイッカ氏監修の試作品とは完全に異なる)。 光の透過具合によってこれ程ボディーの発色、質感、雰囲気を変えるバードも珍しい。特にボディー全体に金属的な輝きを帯びるラスターのかかった不透明に見えるメスのボディが光を透過してグレー(サンド)に輝くとは思いも寄らなかった。この一般的なBirds of Toikkaではあり得ない仕様や発色がアメリカのミュージアムで作られる即販売品の面白さ。 昨年復刻されスコープでも販売された巨大なクチバシが特徴的なKinfisherもガラスミュージアムの為に作られたバード。トイッカ氏がまだ元気だった頃は御大自らアメリカに出向き職人さんや博物館員の人たちとの協議の上、次の年のアニュアルバードを決めていたよう。このRuddy Duckも2015年の段階で既に決まっていて、あまりに特徴的すぎるこの鴨をどうバード化するのだろうと思っていたけど、実際に出来上がったRuddy Duckは見事に実在する鳥の特徴を非常に的確に捉えた写実的なデザインに驚いたことを今でも鮮明に覚えている。 Duckはメスのバリエーションが多くバード好きには面白い作りとなってるのでいつか入手して検証してみたいと思っている。
by buckup
| 2019-09-16 03:16
| Favorite。(293)
|
Comments(2)
Commented
by
似非子
at 2019-09-24 22:08
x
あまり動物観察しないわたくしなので
buckさんちの鴨をみて、 へーー、鴨って意外と首が太いんだな。と、感心してしまいました。 トイッカ氏の観察眼に脱帽です。
0
Commented
by
buckup at 2019-09-25 06:30
所謂家畜でダウンなんかに使うガチョウはかなり首が長くて細いんだけど、Duck、鴨は結構力強い太めな首。とはいうものの、実際の鴨の首もここまで太くはないんだけど、首と胴の付け根の斜めのラインは本当によく特徴を捉えているなぁと感心。朝の散歩の際によく見かけるHeron(サギ)も鶴のような長い首を持つ鳥だけど、首を折り畳み水辺に佇む様はトイッカ氏のHeronそのもの。トイッカ氏の作り出した写実系のバードってシンプルなデザインなのによく鳥の特徴を捉えた素晴らしいデザインなんだと驚かされます。
|
タグ
iittala
Birds
雑記
キッチン
Alvar Aalto
Teema
AUDIO
kartio
kivi
Favorite
KEF
SACD
Cup&Saucer
CD
Jazz
SONY
Apple
AURA
Holmegaard
Kastehelmi
カテゴリ
最新の記事
以前の記事
2022年 11月 2021年 12月 2021年 01月 2020年 12月 2019年 09月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 09月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 04月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2009年 03月 2009年 02月 2008年 07月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 02月 2007年 10月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 04月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 最新のコメント
検索
記事ランキング
最新のトラックバック
その他のジャンル
お気に入りブログ
このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||