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独逸より日々愛用しているお気に入りを・・・風の吹くままに、気の赴くままに。
by buck
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Seamaster120 1st Generation
今日は久しぶりに覗いた旧友のHPが更新されていたのが嬉しくて思わずコメントしてきました。旧友というのは、僕のオメガコレクション、特にスピードマスターの収集に多大な影響を及ぼされたしその道では非常に有名なユニティさん。ユニティさんの厳しく的確な審美眼から学ぶ事は非常に多く、ユニティさんの鑑定のおかげで幾つかの貴重なレアモデルを入手したのも今は昔。最近の僕はめっきり時計収集の道からは遠ざかっているのが現状です。しかし今日はそんな訳で久しぶりに時計のお話でも。。。

時計収集からは遠ざかっているとはいうものの、勿論これまでに収集した時計は現状維持で保有していますし、毎日欠かせない日常品としてコレクションの時計を使用しています。ココ数日ずっと使っているのが今日のお題の時計・Seamaster120。これは僕のコレクションの中でも一番の箱入り娘で、実際に使用するのは2〜3年ぶり!?というほどの秘蔵っ子。何故かココ数週間、どうしてもこの時計を使いたい衝動に駆られていたのでした。
Seamaster120 1st Generation_c0030570_2053488.jpg
そもそもこの時計、製造されたのは僕が生まれるよりも数年早い1969年製造。勿論スイスのジューネーヴのオメガ工場生まれ。その後遥か遠くのイスラエルに出荷され、僕の手元に来たのが確か2002年の夏。遥か遠くのイスラエルから届いたこのシーマスター、まさに30年の間酷使されてきましたという感じの、ボロボロな状態でした。文字盤はまるでミイラのように干涸び(?)当時は鏡面仕上げだったであろうケースも擦り傷により曇り、勿論ベゼルもボロボロ。しかし中の機械・オメガ社製のCal.565に施された赤金メッキは当時のままに輝いていましたし、時計自体の精度も外装からは想像もできないほどしっかりとしていました。

ちょうどこの時期、オメガのレストア部門に深い興味を持っていた僕はこのボロボロなシーマスターをフルレストアする事を決意。スイスのオメガ本社にこの時計を送りつけたのでした(勿論諸処の書類や連絡後に。笑)。
直ぐに時計を受理、入金確認(先払いなのです。オメガのレストアは)の手紙が届き、さぁあとはレストア完了するのをゆっくりと待つだけと思っていました。が、しかし、3ヶ月経っても4ヶ月経ってもオメガからは何の連絡も来ません。さすがに心配になってオメガ本社に連絡したところ、補修用の文字盤が本社には無く(オメガには膨大な数の当時の文字盤もあるそうですが、すべてのモデルではない。近年は補修用にあらたに古いモデルの文字盤が多数新造されているようです)リフレッシュを施しているとの事(要はリダン。文字盤を新しく作り直す事)。しかしその後待てども待てども時計は僕の手元には戻ってこずに連絡もなし。
もはや待ちくたびれレストアの存在すら忘れていた頃(というのもこの頃は希少なスピマス赤金モデルの探索に余念がなかった)にドイツの国境税関から一通の手紙と振り込み用紙が届きました。このいきなりの高額な納税通知は何じゃらホイと思い税関に連絡してみると、それは「スイスはオメガ社からの小包でこの小包は明らかに関税の対象だから税金を振り込め。振り込まない場合は送り主に送り返す。」という内容でした。これはそもそも僕自身の既に所有している物を修理に出したのだから、本来は税金を払う必要は無かったのです。がしかしこちらの不備で「この時計が僕のものであり修理に出す旨」を証明する書類を提出するのを忘れていたのでした。落ち度は確実に僕にある訳ですから、高額な関税を泣く泣く納税したのを覚えています。
Seamaster120 1st Generation_c0030570_2241338.jpg
さてレストアから戻ってきたシーマスターを見て思わずニンマリ。まるで新品を購入したかのような仕上げにまずは大満足。オメガ本社からはレストアの際に取り替えたパーツも一緒に送り返されて来またのですが、換装され取り払われた腐食した古いオリジナルの文字盤を見て思びっくり。インデックスは勿論の事、日にち表示の窓枠、そしてシーマスターなどのプリントされたロゴまでもが新しい文字盤に移植されていました。マニア心をくすぐる至れり尽くせりのリストアに、オメガのこだわりを垣間見た気がしました。

レストアからかえってきた新品同様のコンディションのシーマスター。その後は普段使いにはあまりにも勿体なくて(日本人ですね〜。笑)お蔵入り。基本的にオートマティクのデイト付きは使い続けないと日付合わせなどが面倒なのももう一つのお蔵入りの原因でしょうか。
しかし久しぶりに使ってみると、スピマスより一回り小さく軽量なケースの装着感の軽快さ。また現在、多くの時計に使用されているETA製のムーブメントとは似ても似つかない静かで軽いロータリーの巻き上げ(ETA独特の「ギュルンギュルン」などのローターの巻き上げ音や感触は皆無)などなど、これがまた中々使い心地の良い時計なのをこの数日で再確認しました。
これからのシーズン、普段使いのローテーションに参加間違い無しの軽快な時計です。


※Seamaster120 1st Generationについて詳しくはこちらをクリック
by buckup | 2007-05-30 20:27 | 時計。 (17) | Comments(2)
Commented by ユニティ at 2007-06-09 16:58 x
こんにちは。
お久しぶりです。コメントありがとうございました。
シーマスター、懐かしいですね。やっぱり、いい仕上がりだなァ。
私もbuckさんに随分いろいろと啓発され、また勉強させてもらいましたね。
私のほうも、さざなみはあるものの、すっかり時計熱は落ち着いています。
今は娘二人に夢中なのと、新しいプロジェクトに参加しているので仕事に追われて忙しい毎日です。
相変わらず海外出張ばかり。そのうちドイツやイタリアの仕事もありそうなので、楽しみにしているんですよ!
ではでは。
Commented by buckup at 2007-06-19 06:40
お久しぶりです、ユニティさん!
ユニティさんのところちょくちょくお邪魔させて頂いているのですが、今回のエクスプロラーの写真を見たらなんだかとても懐かしくなって、久しぶりにコメントさせて頂きました。
シーマスターのレストア、赤金探索、4th探索とこの頃がなんだか一番楽しかったです。最近は市場価格の高騰、失われたレアもの発見の楽しみ、気軽に手に入るレアパーツとなんだか数年前に比べると発見する楽しみが減ってしまったように思えます。これが僕が時計収集の興味を失ってしまった原因でしょうか。。。
しかし良いですね〜。かわいいお嬢さん達に夢中なんて!娘さん方も大きくなられたのでしょうね。名言メーカーの奥様もお元気でしょうか?
新プロジェクト。今回はヨーロッパ方面なのですね!ドイツにお越しの際は色々なところにご案内いたしますよ〜。ちょっと趣向の異なるノモスやグラスヒュッテといったドイツ時計なんていかがでしょうか?(笑)
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