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独逸より日々愛用しているお気に入りを・・・風の吹くままに、気の赴くままに。
by buckup
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2005年 03月 29日 ( 1 )
Arcadia -Andreas Scholl
日本でも「もののけ姫」のヒット共に知られるようになったカウンターテノール。いわゆる男性歌手がファルセット(裏声)という技法を使ってアルトの音域を歌うため今昔を問わず非常に稀でそれだけに名手と呼ばれる人は中々出てきません。
そんな中、ドイツ出身のAndreas Schollは近年稀に見るカウンターテノールとしてヨーロッパに限らず世界中で名声を集めています。
そんな当代一の名手SchollがOttavia Dantone指揮のイタリアの著名な古楽アンサンブル・Accademia Bizantinaと共に手掛けた最新作がこの「Arcadia」です。
c0030570_8185646.jpg
1600年代中頃から1700年代中頃のバロック様式最盛期のイタリアの楽曲を集めたこのSACDは、基本的ににAccademia Bizantinaの流れるようなそれでいて切れのある素晴らしい弦楽アンサンブルにチェンバロが奏でる華やかな通奏低音+Schollの柔軟性のある柔らかく完璧なカウンターテノールが一体となり、楽曲の間に挟まる形のレチタティーボを悲しみを一杯に湛えて歌ったり、心に響く悲しみのアリアや颯爽としたアリアなどのまるで風のようなイタリアンバロック特有の旋律を完璧なまでに堪能できる一枚です。

個人的にはトラック1のFrancesco Gasparini(1668-1727)のAria:Destati,Lidia miaのSchollの優しく柔らかで包み込むような声色のアリアも非常に魅力的ですが、なんといってもこのSACDでのSchollの真骨頂はトラック16に納められているGaspariniのEcco,che alfin ritornoの最終楽章、Aria;II nocchier nella procellaではないでしょうか。典型的な情熱的で憂いを含んだレチタティーボから繋がるAriaは、颯爽とそして堂々としかしスピード感に溢れカウンターテノールとして極限の音域を駆使しその魅力を余す事無く魅せてくれます。
このアリアで非常に興味深いのは低い音域になったときのSchollの地声と裏声の使い分け。余りにも完璧な高音域なのでアルペジオの最低音部だけ使用する地声がまるでそこだけは継ぎ足したように聞こえるのがカウンターテノールならではの醍醐味ではないでしょうか。

音質面は当然CD面の2ch再生も非常にクリアでSchollの歌声を楽しむ分にはなんら支障はありませんが、SACDマルチ再生の前後4本のスピーカーを駆使した自然な包み込むようなエコーとCD面よりもさらに小気味良く切れのある弦の音、そしてSchollの張りのある柔らかい歌声の再生はSACDならではというところでしょうか。また時にかすかに聞こえるコンサートマスターであろう人がフレーズを取るために息を継ぐ音(息を使わない弦楽器では特に重要)などが臨場感をさらに盛り上げてくれます。またこのSACDを聴く時はサブウーファーのヴォリュームを少し上げ気味にするとバッソ・コンティノのどっしりとした響きを楽しめます。(ヴォリュームを上げ過ぎるとオーケストラのコントラバスの様になってしまうのでご注意を。。。)

ワーグナーやシュトラウスのヴィブラート全開の派手なオペラアリアが苦手な方や、イタリアンバロック最盛期特有の哀愁と情熱、そして煌びやかなリッチさを味わい時に聴くのにピッタリの一枚ではないでしょうか。
by buckup | 2005-03-29 08:31 | SACD。 (63) | Trackback | Comments(0)


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