独逸より日々愛用しているお気に入りを・・・風の吹くままに、気の赴くままに。
by buckup
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Ray Brown Monty Alexander Ruessell Malone
ピアノのボディーの共鳴。弾けるような生々しいコントラバス。心地よいギターの軽いディストーション。これらが実に旨く解け合い紡ぎだされる最高のトリオジャズ。そしてドラムの抜きのトリオなのにこれほどまでにはっきりと躍動感あるビートを感じるのは、やはり世界に名だたる彼ら三人による演奏だからなのだろう。
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2007年7月に他界したJazzベースの巨匠・Ray Brownの事実上最後のアルバムとなった本作。ベースがリアルに再生されるSACDの中でも頭一つ飛び抜き出ている、まるで目の前でRay Brownが演奏してくれているのではという錯覚に陥るほどのリアルさ。まさに「弾ける」といった表現がぴったりの音質です。
安定したMonty Alexanderのピアノに派手さはないけどどこまでも渋い、燻し銀のような演奏を繰り広げるRuessell Malone。彼の渋いギターは時にハープのごとく滑らかに、そして吹奏楽器のような息づかいを感じるソロをこのアルバムで披露してくれています。

SACDマルチ再生はフロントを中心に展開する自然なもの。とにかく音の厚みと圧迫感が素晴らしい反面、各楽器の位置関係は今ひとつ曖昧でピアノ、ベース、ギターがすべて中心に展開する音作りとなっています。
また特筆すべきは、音の余韻がとても美しいアルバムだという事。ここまでとても自然に、そして丁寧に音の余韻を扱っているアルバムというのも稀ではないでしょうか。

結構な数のタイトルがそろってきた僕のSACDコレクションの中でも、間違いなく一二位を争う高音質の本作。じっくりと渋いジャズを堪能したい方にも、雰囲気のあるBGM的なジャズアルバムをお探しの方にもお薦めのとても聴きやすいアルバムです。
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by buckup | 2008-02-21 23:10 | SACD。 (63) | Trackback | Comments(2)
両サイド1mの効能 -XQoneの再セッティング
先日紹介したMonty AlexanderのSACD「My America」のうちのオーディオシステムの尋常ではない鳴りっぷりに驚いた僕は考えてみた。
「My America」を聞き込んでいくうちに「うちのシステム、特にスピーカーをもっと厳密にセッティングしてみたらもっと良い音で鳴るのではないのか?」との邪な(?)考えが沸々と沸き上がってきたのでした。
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僕の愛用のフロントスピーカーはKEF社のXQone。 シャキっとした歯切れの良い音で、曇りの無いとても見通しの良い音がするのが特徴で、こちらのオーディオ誌の評価通り「スタジオモニター」のようなニュートラルでクリアな音のするスピーカーです。

今までこれといって特別な不満は無かったものの、欲を言えば「もう少しキレのある濁りのない、それでいて質量のある低音が欲しい」とか「クラシックCD再生時の弦楽器の高音のキツさを和らげたい」とか「ジャズは良く鳴るけれど、今ではあまり聴かない大編成のオーケストラの再現性が今ひとつ・・・」などなどをうっすらと感じていました。
特にCD再生時の高音寄りの角のたったキツい音に馴染めず、今のうちに引っ越してきてからというもの殆どCDを聴かなくなり、うちにある膨大な(?)CDコレクションはまさに「無用の長物」と化していたのでした。

今回の再セッティングの最大のポイントは、はじめに述べた「バスの質の向上」と、「音場のよりリアルな再現性」。これを目標に、XQをあっちこっちに動かしてみました。
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まず僕が引っ張りだしてきたのは、XQ購入時に付属してきた、その名もズバリ「installation Manual」。製造元である KEF社直伝のセッティングに関するノウハウが書かれたXQセッティングの基本の書です(笑)。
このマニュアルを見てまず驚いたのは、両脇の壁からのSPの距離。なんと「最低でも1m」と書かれているではないですか!!!

現在のうちに引っ越してきてからは、まずサラウンドセッティングの基本「リスニングポイントから60度でフロントSPを設置」そのままにセッティング(以前の記事参照)。その結果、リスニングポジションからフロントSPまでの距離が2m以上あるうちでは、フロントSP間にかなりの距離を要し、その結果フロントSPは両サイドの壁からLFは90cm、RFに至っては僅か65cmしか離れていなかったのでした。
基本的なサラウンドのセッティングである円状にSPを設置する場合、うちのリスニングポジションからフロントSP間での距離を考えると、実に2倍以上の大きさの部屋が必要となってしまうのでした(涙)。
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という訳で、今回の再セッティングではまず両サイドの距離の確保から始めました。
我が家のセッティングの要であるTVの上にセッティングされたフロントSP・XQtwo。部屋の作りの関係で、部屋の中心より僅かに右寄りにセッティングされています。
そんな訳で今回の再セッティングで一番重要なのは、右側SPの1mという距離の確保。まずは右側SPの中心から1mの位置にRFを設置。その結果、LFは左側の壁から1m10cmの距離に設置となりました。
この1mの確保により、より音の浮遊感が増し、録音によっては以前よりも自然に音が左右に展開するようになりました。う〜む、恐るべしオリジナルセッティングマニュアル。
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左右1mの距離を確保してから次に行ったのが左右のSPの位置(距離)決め。
両サイドに1mという距離を確保したら、必然的にスピーカー間は1m90cmという距離になりました。マニュアルには「2〜3m MAX」と記されているのでこの距離はオッケーでしょう。
そして後方の壁からの距離は「最低で22,5cm」と書かれていますが、うちの場合分厚いブラウン管テレビとHiFiラック及びセンターSPが鎮座しているので、テレビの全面を壁として考えてみました。

まずは大まかにフロントSPを60度にセッティングをし、フローリングに沿ってSPを前後させてみました。絨毯の敷かれているギリギリの位置から、徐々に後方壁側へ。
僕の好みとしてはSPが壁から遠い位置(目の前にふわっと音場が生まれる感じが好み)でしたが、SPから壁から遠過ぎるとバスの量感がへり、高音寄りのバランスとなってしまいました。また不思議な事にフローリングの目を一つ動かす事によって、何故かバスの音が、クリア>濁る>クリア>濁る・・・となり、これはとても興味深かったです。
しかし共振軽減のためにスタンドの中に砂を詰めてあるうちのXQ。重量級のスタンドに載ったXQを落とさないようにそろそろと前後に移動。意外と体力と気を使いましたです(笑)。
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そして次に行ったのが、SPの角度調整。
実際のリスニングポジションから60度にSPを設置した場合、前述の如くSP間は2m10cmを要し、その結果両サイドには1mの余裕が無くなってしまいます。
今回のセッティングのように両サイドに1mの余裕を持った場合、60度の頂点は理想的なリスニングポジションからおよそ80cm手前、ソファーに着席した場合の丁度足の辺りという位置になりましたが、それほどベストな位置から遠い訳でもないし、何よりも先に行ったSPの前後の位置で良好だった位置に60度延長線がぴたりと重なったのがとても興味深かったでした。
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そして決まったのがこの写真の位置。再セッティング前のポイントだった、バスの質も向上。CDでも歯切れの良い、深みのあるバスが出るようになり「ふふ〜ん、まだまだうちの中初級オーディオでも良い鳴りするじゃん!」なんて一人悦に浸っていました。
前述の「My America」もさらに音に磨きがかかり、思わず鳥肌が立つ程に。これは勿論録音状態やCDのクオリティーに関係しますが、状態の良い大半のオーケストラのCDでもよりクリアに、ものによっては明確に楽器の位置関係まで聴こえるようになりました。勿論SACDのマルチ再生でも、以前よりより一体感のある鳴りとなりこれも満足。DVD鑑賞では、何故か以前に比べ音の繋がりが良くなり、まさにリスナーを包み込むサラウンド感が増したようです。
見た目にも以前よりすっきりし(うちのブラックボックス、サブウーハーを全面から左に持っていったのも効果が大きいようです)、出て来る音もとても良い感じ。以前は僕のオーディオで音楽を聞く事無かった妻も、再セッティング後は自分のお気に入りのCDを良く鑑賞するようになりました(笑)。

ただ一つ気になるのは妻が新たなSP設置位置を一瞥した後の発言。「あたしは大丈夫だけれども、きっと彼方かお客さんがSPにつまずくでしょうね・・・。」と不吉な予言をしてくれました。そんなこんなで今の僕のささやかな願いはただ一つ。「どうか誰も(自分も含め)僕の可愛いXQにつまずきませんように。。。」です。本当は「今よりも広い家に引っ越せますように」何て贅沢な願いもあるんですけどね(爆)。
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by buckup | 2008-02-17 21:16 | AUDIO。 (69) | Trackback | Comments(0)
Baekoff ーアルザス地方伝統土鍋煮込み料理
春先になると、まるで古傷が疼くかの如くにウズウズと行きたくなるのがドイツ・フランス国境の街ストラスブール。
国境の川ライン川から伸びる運河に囲まれたとても良い雰囲気の街ストラスブール。ドイツとフランスが融合というよりは同居しているこの街に行くと、必ず食するのが今日のタイトルでもあるベッコフ(Baekoff)。
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ベッコフとは、いわゆるオーバル形状の土鍋をオーブンで調理する、アルザス州地方を代表する郷土料理。
ベッコフの名の由来はいろいろあるものの、そのスペルを見るとドイツ語の「(パンなどをオーブンで)焼く」という意味の「backen」もしくはパン屋を意味する「bäcker」と「調理師」という意味の「koch」、あるいは「料理する、煮る」という意味の「kochen」が融合したものではないかと、ドイツに住む僕は推測しています。
そうしたドイツ語的推測をしてみると、僕がストラスブールを訪れると必ず食べに行くベッコフ専門店のお姉さんが教えてくれた「そもそもこの料理は農家の主婦達が発案したもので、前日の夕方からアルザスワインに肉や野菜を浸し(マリネ)、次の日の昼前にパンを焼き終えたパン屋にそれぞれのうちに伝わる土鍋を持っていき調理してもらっていた。」というのも頷ける。

僕が初めてストラスブールを訪れたのは、かれこれ8年前。そのときたまたま入ったレストランが、先にも登場したレストラン。ちょっと辛めのアルザスワインに程よく漬かった柔らかい肉と柔らかいジャガイモ。特別な点は何も無い実にシンプルな料理。そのベッコフのあまりの素朴な美味しさと、元来の焼き物好きが長じて、町中にあるお土産物屋さんで即購入したのが今日登場のベッコフ。

それではその自前のベッコフを使って作る、アルザス郷土料理「ベッコフ」について記したいと思います。
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まず用意するのは、
牛・豚・羊肉、各250gづつを大きめのサイコロ状にカット。タマネギはくし切りに、長ネギは小さく刻み、輪切りにしたニンジンとハーブ(僕はタイムを使用)を土鍋に入れ塩・胡椒を適度にふります。
そしてアルザスワイン(無ければ辛口の白ワイン)を一本丸ごと投入し、一晩冷蔵庫に入れ浸け置きます。
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一晩寝かした土鍋の蓋を開け、鍋全体を覆い尽くすように輪切りにしたジャガイモを敷き詰めます。
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後は予め暖めておいたオーブンを160〜180℃にセットし、ベッコフを入れるだけ。
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2〜2時間半オーブンで煮ると、写真のように蓋ギリギリまで入っていたワインが飛び散り、土鍋が良い具合に焦げます。最後の10分間だけ蓋を少々開けて、上部のジャガイモを焦がしても美味しいです。
この土鍋、STAUBやLe Creusetなどの鋳鉄鍋とは異なり、蓋が非常に軽いのでうまい具合に中のワインが飛び散り、出来上がると蓋一杯までだったワインが半分の一程度まで無くなります。
しかし調理後は、オーブンの中がかなり汚れますので要注意です(うちの妻は後のオーブンの掃除が嫌で、うちではあまりこの料理を食べたがらない。笑)
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あとは鍋ごとテーブルにサーブし、暖かいうちに召し上がれ、です。
うちでは塩こしょうは少なめに調理し、各自皿に盛りつけてから好みの塩加減にするようにしています。
ちなみに写真では10年来愛用している英国・Denby社のImperial Blue Dinner Plate26cmに盛りつけてあります。
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食後気になるのは、やはり焦げ付いた土鍋の後始末。
真っ黒な焦げ付きは落とし辛い様に見えますが、一晩中性洗剤を入れたシンクの中に入れておけば、次の日には信じられない程簡単に落ちます。
この土鍋に限っては、焦げ付きも味の一つなので、見てくれなど気にせずにレストランの如く焦げ焦げのベッコフに仕上げするのも手かと思います。

また購入時に、初めて使用する前には一晩牛乳を入れとくと、土鍋が長持ちするから是非するようにといわれました。

寒い冬には持ってこいの土鍋料理。僕はまだ挑戦した事は無いのですが、鋳鉄鍋などでも美味しく調理する事が出来ると思います。
白ワインに一晩浸け込んだ材料をオーブンに入れるだけのアルザス地方伝統の究極の手抜き料理(!?)。是非挑戦してみてください!
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by buckup | 2008-02-13 10:33 | Essen&Trinken。(178) | Trackback | Comments(4)
SHINE -Joni Mitchel
僕の大好きなJoniの最新アルバム「SHINE」が9月の終わりにリリースされてから既に5ヶ月。今でも何故かこのアルバムは僕に訴えかけ続ける不思議な存在感と後味のあるアルバムである。

2002年に発表された「TRAVELOGUE」(僕に一番好きなアルバム)を最後に引退宣言をしたJoniが、5年ぶりに発表したこのアルバムを初めて聴いた時の印象は今でも忘れられない。
それは「このアルバムを彼女はリリースせずにはいられなかったんだろうな。」ということ。
なぜそんな事を感じたのかというと、このアルバム全体からまるでJoni自身の個人的な近況報告を綴った彼女の叫びというかメッセージがじわじわと曲間から滲み出しているように僕は感じるからだろうか?
彼女の歌とピアノを中心として、必要最小限のアーティストと最小限の装備&構成でまるで自宅で録音したような、彼女一人による彼女が作る個人的な手作りのようなアルバム構成と響き。そしてそこから聴こえて来るのは、このアルバムをはけ口としなければいけなかった、Joni自身と5年という歳月の間に変わってしまった世界への憂いとメッセージのようなものを僕はこのアルバムから感じ取る事が出来る。
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冒頭のインストルメンタルな「One Week Last Summer」は、全体に起伏に欠けるこのアルバムのテーマともいえ、この曲をベースとして、まるでその後に続く曲がこのテーマのバリエーションであるが如くにこのアルバムが展開されていっているのがこの後に続くナンバーを聴くとわかると思う。

ライナーノーツにも彼女自身が書いているように「昨年の夏のある一週間」に突然としてこのメロディーが彼女に沸き立ち、それが形と成ったのがこの曲であり、このアルバムのようである。
全体を通して前作の「TRAVELOGUE」よりも声の勢いも伸びも衰えてしまったように感じるが、このアルバムではそれは全然問題にならないと思う。そして彼女の頭の中で鳴り響くのは、やはり前作同様オーケストラの重厚な響きのようだけれども、今作ではあえてオーケストラパートをシンセサイザーで、そしてリズムの要のドラムすらも打込みで済ませているところから、今作では本当に最小要員でアルバムを完成してしまいたかった彼女の心情が伺える。

音質は前述した通り自宅録音のような感じの、デッドな環境の特筆するところの無いごく普通な感じ。とはいえ、Joniの弾くピアノの質感やBob Sheppardの吹くSaxなどは、CDながらも非常にクリアでリアルに録音されている。

アルバム全体としては、非常に落ち着いた気分で聴けるしっかりとした構成となっているものの、最後の「If」で本当の彼女らしさが伝わって来るという、少々物足りないような感じもしないではない。
しかし3曲目の「If I had a Heat」で「Our lovery sky」と歌う彼女の憂いのこもった歌声や、彼女自身の名曲「Sex Kills」の流れを汲む「 If」での颯爽とした彼女らしい切れの良い歌声を聞いていると、それだけでも満足出来てしまう一聴の価値のあるアルバムなのではないかと僕は思う。
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by buckup | 2008-02-12 16:05 | CD。 (36) | Trackback | Comments(0)
消えたチョンマゲ ー新旧XQシリーズ考
KEFの新Referenceシリーズが昨年リリースされてから久しいが、いつの間にやら巷ではXQシリーズも刷新されたらしい事を今年に入ってから知った。旧XQシリーズは、キレのあるクリアでメリハリのある音がKEFらしからぬと評され、その独特なカーブを多様したフォームやポップでモダンな色使いからもKEFのラインナップの中でも異彩を放っていた。
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新型XQシリーズでは初代XQの独特なボディーフォームとフロントのアルミパネル(ただし新型は黒色)は継承したものの、XQの最大のデザインチャームポイント(少なくとも僕はそう思っている)であった円錐形の美しいスーパーツイーターが無くなり、新Referenceシリーズ同様にKEF独自の素晴らしい同軸ユニット・Uni-Qドライバーに組み込まれてしまった。点音源同軸スピーカーであるXQも、初代のようにスーパーツイーターだけが上についているよりも、新型の如くすべて同軸におさめた方がより自然な音になるのだろう。

新世代Uni-Qドライバーは新iQシリーズに採用されてからずっとすこぶる評判が良かったが、その新世代Uni-Qドライバーを使用した新XQシリーズも、辛口批評の多いここドイツでもとても素晴らしい評価を得ている。
きっとチョンマゲ(スーパーツイーター)の無い新型XQシリーズは、確実に僕が愛用している初代XQシリーズよりも格段に素晴らしい鳴りがするのだろうと、実際に新XQシリーズの音を未だ聴いた事のない僕にも容易に想像する事が出来る。
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し・か・しだ。そんな事はともかくとして上の写真を見てほしい。理屈抜きに美しい流線を描くティアドロップ形状のスーパーツイーター。そして少々見難いけれども一枚目の写真にあるように、KEFラインナップのフラッグシップモデルであるReferenceシリーズのテクノロジーを受け継いだ証“KEF AUDIO UK REFERENCE SERIES HYPERTWEETER”の刻印がチタン製のスーパーツイーター(そうだKEFでは「ハイパーツイーター」と呼ぶんだった)を保護する蜂の巣上のメタルネットのリムに誇らしく刻印されているではないか(実はXQのハイパーツイーターはREFERENCシリーズの流用だったりする)。
僕は勿論XQの美しいカーブを多用したボディーラインも好きだけれども、この小さなチョンマゲがあってこそ生きるのがXQ本来のデザインではないかと思うのである。
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この小さいながらもXQスピーカーのデザインの要といっても良い、美しい流線型のスーパーツイーターが失われてしまったのは本当に悲しい限りだ。
しかしこれも時代の流れ。本来スピーカーというものは、どれだけ美しい音(それは勿論個人によて異なるけれども)で鳴るのかが問題であって、スピーカ自体のフォームはそれに付随して来るものだと思う。
勿論巷には音を追求したために、まるで前衛芸術家がデザインしたようなスピーカーらしからぬ形をしたスピーカーも多々ある(個人的にはそんなスピーカーが好きだ。例を挙げるとすれば音質はKEFとは異なるけど、歴代のB&Wの限定モデルなどなど)。
今回のモデルチェンジで失われたスーパーツイーターも音質を追求した結果なのは僕にも理解出来る。
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僕は決して新型XQシリーズを否定する訳ではない。前にも述べたように、きっと僕の愛用する初代XQよりも格段に素晴らしい音で鳴るのだろう。
しかしチョンマゲのない新型XQシリーズを見たときに決意した事が僕にはある。それは「どんな事があっても僕の愛用のチョンマゲXQと決別する事はないだろう。」という事(笑)。髷(マゲ)は武士の命ともいうけれども、僕にとってもXQのチョンマゲはデザインの要。マゲを捨てた新型XQは何処となく締まりのない、柔いデザインになってしまったように感じるのである。

チョンマゲのない新型XQが例え革新的で文明開化的な響きがしようとも、僕はマゲのある初代XQと共にこれからもずっと一緒に歩んでいきたいと思う。
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by buckup | 2008-02-08 23:10 | AUDIO。 (69) | Trackback | Comments(0)
My America -Monty Alexander
「2008年最初の一枚は、未知の衝撃と共にやってきた。」

なんてまるで安っぽい映画のキャッチフレーズもどきしか頭に浮かばないのが悲しいですが、まさにこのSACDの素晴らしいまでの高音質ぶりに久しぶりに衝撃を受けました。
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導入1曲目の「Don’t fence Me In」。何て事はない実にアメリカらしい、まるでカウボーイが「パッカパッカ」と馬を呑気に駆るような軽いピアノの前奏で始まる訳ですが、これは実にSACDらしい普通の高音質(笑)。しかし「このアルバム、ただ事じゃないぞ!」と驚嘆させてくれるたのがその後に続くドラムやバスの音の深さと現実味あるその生々しいまでの「音」。思わず「え、うちのステレオってこんな音でなるの!?」と我が耳を疑いたくなった程の深く、切れのある立体的で濁りのないベース。そして嫌みや不自然さのない自然なサラウンド。2ch派の人にとってはこの程度のサラウンド効果も不自然に感じるかもしれませんが、音が部屋中を飛び交うSACDマルチならではのサラウンド効果が大好きな僕は思わずニンマリ。
しかし本当の衝撃を受けたのは2曲目「Straighten Up and fly Right」。曲の冒頭からズンと腹に響き、部屋全体を揺るがすようなベースのヒット。自然に全面に広がるピアノ。そしてまさにリスナーをぐるりと囲み込むような実に濃厚なサラウンド効果。もうこの2曲目を聞いた瞬間に僕はメロメロ。
そしてこのあとは、まさにアメリカらしい軽快なナンバーがこれでもかという程の高音質と絶妙なサラウンド効果で最後まで本当に飽きさせる事なく延々と続く訳です。それに加えトラック6では、最近の僕のお気に入りアーティスト・John Pizzarelliまでもが参加。本当にもう僕にとって至れり尽くせりの、久しぶりに心から「素晴らしい!」と胸を張ってお薦めできる一枚です。

ここまではマルチ環境でのサウンドについて述べましたが、このアルバムはSACD2chでもマルチに負けない音の展開ぶりです。前述の「Straighten Up and fly Right」などは、あまりの素晴らしい音の展開ぶりにサテライトSPに耳を寄せ音が出ていない事を確認してしまった程です(汗)。


購入前はタイトルである「My America」から、ここ数年来激しいアメリカ賞賛の愛国心一杯のアルバムではないかという心配もありましたが、実際に聞いてみるとまさに古き良き時代のアメリカ。皆に愛され、憧れをもたれた頃の実にアメリカらしい、ある意味タイトル通りの素晴らしいアルバムでした。
SACD愛聴家(?)にとって聞かずにはいられない、本当に素晴らしい、SACDの特性と魅力を余すところなく生かしたお薦めの一枚です。
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by buckup | 2008-02-07 22:34 | SACD。 (63) | Trackback | Comments(0)


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